日本市場日報|2026年8月7日

国際要聞
8月6日の米国市場は、ダウ工業株30種平均が53,885.10ドル、前日比464.02ドル安、S&P500が7,709.96、同13.59ポイント安、ナスダック総合が26,348.35、同15.09ポイント安で引けた。企業決算の選別色に加え、ホルムズ海峡を巡る外交の不透明感で原油と長期金利が持ち上がり、株式全体の上値を抑えた。

中東では、イランとオマーンを軸とする海峡再開協議がなお最終合意に至っておらず、エネルギー供給のリスクプレミアムが相場に残っている。原油高とインフレ再燃への警戒が、米雇用統計前のグローバル市場を引き締めている。

日本経済要聞
為替市場では、日米による円安是正の動きの余波が続く一方、市場の関心は次の日銀の出方に移っている。米側からの発言も絡み、9月会合での追加利上げ観測と日銀の独立性を巡る議論が並走している。

国内マクロでは、厚生労働省が7月下旬に公表した5月の毎月勤労統計確報で実質賃金は前年比1.4%増となったが、円安とエネルギー価格の再上昇が今後の家計実質所得を再び圧迫する懸念は残る。8月7日午後には6月分の景気動向指数速報の公表が予定されており、東京時間午前の段階では新しい国内景況感の確認待ちとなっている。

日本株式市場(前営業日終値)
2026年8月6日の東京株式市場では、日経平均株価が65,683.26円となり、前営業日の66,300.44円から617.18円安、騰落率はマイナス0.93%だった。米半導体株の軟調を受けて値がさの半導体・電子部品株に売りが出やすく、日経平均には重石となった。

一方、TOPIXは4,055.85で引け、前営業日の4,046.17から9.68ポイント高、騰落率はプラス0.24%だった。指数間で明暗が分かれたことは、輸出ハイテク主導の調整と、金融・内需・資源関連への資金シフトが同時進行していることを示している。

外国為替(FX)市場
8月7日朝の東京外為では、ドル円は1ドル158円台後半で推移した。早朝時点では158.49円近辺が意識され、前日の東京株式市場終盤にみられた157.81円近辺からはドル高円安方向に戻している。米長期金利の上昇圧力が残る一方、当局の円安けん制も意識されやすく、値幅よりも方向転換の速さに注意が必要な局面だ。

債券市場
米国債市場では、8月6日時点で2年債利回りが4.242%、10年債利回りが4.670%まで上昇した。原油高によるインフレ再加速懸念と、米雇用統計を前にした追加利上げ観測の持ち直しが背景にある。

東京債券市場では、8月7日朝に10年国債先物が127.05まで下落し、前日比では0.30円安となった。国内長期ゾーンも上方向の圧力が続いており、株式市場では銀行や保険には追い風でも、高PERのグロース株には逆風になりやすい。

大宗商品・先物市場
原油市場では、WTIが77.29ドル、北海ブレントが82.49ドルまで上昇し、海峡情勢を巡る不透明感が依然として価格に織り込まれている。日本株では空運、化学、素材など燃料コスト感応度の高い業種の収益見通しに注意が必要だ。

金は8月6日の中心限月で1トロイオンス4,242.00ドルと小幅安にとどまり、高値圏を維持した。銅は前日までに1ポンド6.703ドルの過去最高圏を付けており、AI向け電力・データセンター投資がなお需給を支えている。

恐怖指数(VIX)と市場センチメント
米株の値幅は限定的だった一方で、VIXは前日比で低下し、4週間ぶりの低水準圏に近づいた。表面的な静けさの裏で、株式、原油、長期金利、為替の相互連鎖はむしろ強まっており、安心感よりもイベント待ちの小休止と捉える方が自然だ。

暗号資産ではビットコインが6.4万ドル台を維持しており、リスク選好が完全には崩れていないことを示している。ただし、金利上昇とドル高が同時に進む局面では、投機資産の上値は急に重くなりやすい。

重点業界動向
最も警戒が必要なのは半導体とAI関連の値がさ株だ。米国でのメモリー・ソフトウェア関連決算をきっかけに高成長の持続性への目線が厳しくなっており、東京市場でも装置、電子部品、電線、データセンター周辺に利益確定売りが波及しやすい。

逆に、金利上昇の恩恵を受けやすい銀行、保険、資源、エネルギーには相対的な資金逃避先としての役割がある。TOPIXが底堅さを保ったのは、指数全体でみればハイテク一辺倒ではない日本株の構造が再評価されているためだ。

研究見解
足元の日本市場は、日経平均の調整とTOPIXの粘りが併存する回転相場に入っている。短期的には、ドル円が再び159円方向へ弱含むのか、米10年債利回りが4.7%台を固めるのか、原油が80ドル台を定着させるのかが、来週以降の業種選別を左右する。

戦略的には、指数全体の一方向ベットより、半導体・AI主導株のバリュエーション圧縮リスクと、金融・資源・ディフェンシブの相対優位を分けて見る局面である。きょう午後の国内景気指標と今晩の米雇用統計が、次のトレンドを決める初動材料になりやすい。

本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。

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