国際要聞
年末を控え、主要国市場では様子見姿勢が強まっている。米国ではインフレ指標の落ち着きを背景に、FRBが当面は現行政策を維持するとの見方が市場のコンセンサスとなっている。2026年に向けた金融政策の正常化・緩和転換の時期を巡り、過度な思惑は後退し、リスク資産は安定した推移となった。
世界経済の先行きについては、米国の底堅さと欧州の低迷という構図が継続している。中国経済は内需下支え策の効果が限定的であり、グローバル経済は引き続き緩やかな成長と構造調整が併存する局面にある。
日本経済要聞
日本経済は緩やかな回復基調を維持しているものの、内需主導の成長にはなお課題が残る。物価上昇率は低下傾向にあり、インフレ圧力は一服している。一方で、賃金上昇の持続性や消費マインドの改善は限定的であり、2026年に向けた家計部門の動向が注目される。
企業部門では、設備投資意欲は底堅く推移している。円安水準が企業収益を下支えする中、製造業を中心に輸出環境は改善傾向を維持している。
日本株式市場(前営業日終値)
主要株価指数(12月30日終値):
日経平均株価は39,250円(前日比プラス0.3%)、TOPIXは2,735ポイント(前日比プラス0.6%)となった。東証グロース市場指数は概ね横ばいで推移した。
市場では年末のポジション調整が中心となり、方向感に乏しい展開となった。輸出関連株や資本財セクターは相対的に堅調であった一方、内需関連やディフェンシブセクターは利益確定売りが優勢となった。全体として指数は高値圏を維持しつつ、落ち着いた値動きが続いている。
外国為替(FX)市場
ドル円相場は146円前後で推移している。米金利の安定を背景にドル高圧力は限定的であるが、日米金利差の存在から円の上昇余地も限定されている。年末特有の取引量減少により、為替市場は狭いレンジ内での推移となっている。
債券市場
米国債市場では長期金利が小幅に低下し、インフレ沈静化を背景とした将来の利下げ期待が緩やかに意識されている。日本国債市場では、日本銀行の金融政策の枠組みが維持される中、長期金利は安定的に推移している。債券市場全体としては、低ボラティリティ環境が続いている。
貴金属市場
金価格は高値圏でのもみ合いが続いている。為替や実質金利の動向に左右されやすい状況にあるものの、中長期的には地政学リスクや金融政策の不確実性が価格を下支えしている。短期的なトレンドは限定的であり、資産分散の観点からの需要が中心となっている。
重点業界動向
製造業および設備投資関連では、企業の投資姿勢が比較的安定しており、機械・産業設備分野への関心が続いている。半導体関連では需要回復の兆しが見られるものの、業界全体の本格回復には時間を要する見通しである。
自動車および輸出関連産業では、為替環境の追い風を受け、収益見通しは底堅い。海外需要の動向が引き続き業績の鍵となる。
内需・ディフェンシブ関連では、食品や公益セクターが安定推移する一方、成長期待は限定的であり、投資妙味は相対的に低下している。
研究見解
日本株式市場は年末を迎え、高値圏での調整と安定を繰り返す局面にある。短期的な上値余地は限定的であるが、中期的には企業収益の改善や構造改革の進展が引き続き支援材料となる。
マルチアセットの観点では、2026年に向けた各国金融政策の方向性が市場変動の主要因となる見通しであり、為替・金利動向への注意が必要である。
資産配分においては、輸出競争力を有する企業や設備投資関連銘柄を中心に選別を進めつつ、防御的資産を組み合わせたバランス型運用が有効と考えられる。
本レポートに記載された市場データは原則として前営業日終値を使用しており、情報提供のみを目的としたものであり、特定の投資判断を推奨するものではありません。