日本市場日報|2026年1月5日

国際要聞
 年初を迎え、グローバル市場では様子見姿勢が一段と強まっている。米国ではインフレの沈静化を背景に、FRBが当面は現行の金融政策スタンスを維持するとの見方が市場の主流となっている。2026年に向けた利下げ開始時期を巡る思惑は後退し、リスク資産は落ち着いた値動きを示している。
 主要国経済の先行きについては、米国の相対的な底堅さと欧州経済の停滞という構図が継続している。中国経済は内需刺激策の効果が限定的であり、世界経済全体としては低成長と構造調整が併存する局面にある。

日本経済要聞
 日本経済は緩やかな回復基調を維持しているものの、内需主導の成長には引き続き課題が残る。物価上昇率は低下傾向にあり、インフレ圧力は一服している。一方で、賃金上昇の持続性や消費マインドの改善は限定的であり、2026年春闘の動向が注目される。
 企業部門では設備投資意欲が比較的堅調に推移している。円安水準を背景に、製造業を中心とした輸出環境は底堅さを維持している。

日本株式市場(前営業日終値)
 主要株価指数(12月31日終値):
 日経平均株価は39,300円前後、TOPIXは2,740ポイント近辺で推移した。東証グロース市場指数は概ね横ばいとなった。
 市場では年初を控えたポジション調整が中心となり、方向感に乏しい展開となった。輸出関連株や資本財セクターは相対的に堅調であった一方、内需関連やディフェンシブセクターは利益確定売りが優勢となった。指数全体としては高値圏での安定推移が続いている。

外国為替(FX)市場
 ドル円相場は146円前後で推移している。米金利の落ち着きを背景にドル高圧力は限定的であるが、日米金利差の影響から円の上昇余地も限定されている。年初特有の取引量減少により、為替市場は狭いレンジ内での推移となっている。

債券市場
 米国債市場では長期金利が安定的に推移し、将来的な利下げ期待が緩やかに意識されている。日本国債市場では、日本銀行の金融政策枠組みが維持される中、長期金利は政策許容レンジ内で落ち着いた動きとなっている。債券市場全体としては低ボラティリティ環境が継続している。

大宗商品・先物市場
 原油先物は需給の大きな変化が見られない中、レンジ内での推移が続いている。地政学リスクへの警戒感は残るものの、短期的には供給面の安定が価格の上値を抑えている。
 金先物は高値圏でのもみ合いとなっており、ドル相場および実質金利の動向に左右されやすい状況が続いている。リスク回避需要は一服しているが、中長期的な資産分散ニーズは依然として底堅い。
 産業金属や農産物先物については、世界経済の減速懸念を背景に、需要見通しに対する慎重な見方が広がっており、全体として方向感に欠ける展開となっている。

重点業界動向
 製造業および設備投資関連では、企業の投資姿勢が比較的安定しており、機械・産業設備分野への関心が続いている。半導体関連では回復の兆しが見られるものの、本格的な需要回復には時間を要する見通しである。
 自動車および輸出関連産業では、為替環境の追い風を受け、収益見通しは底堅い。海外需要の動向が引き続き業績の鍵となる。
 内需・ディフェンシブ関連では、食品や公益セクターが安定推移する一方、成長期待は限定的であり、投資妙味は相対的に低下している。

研究見解
 日本株式市場は年初においても高値圏での安定と調整を繰り返す局面が想定される。短期的な上値余地は限定的である一方、中期的には企業収益の改善や構造改革の進展が引き続き支援材料となる。
 マルチアセットの観点では、2026年に向けた各国金融政策の方向性が市場変動の主要因となる見通しであり、株式・為替・金利に加え、大宗商品市場の動向にも注意が必要である。
 資産配分においては、輸出競争力を有する企業や設備投資関連銘柄を中心に選別を進めつつ、商品・債券を含めた分散投資によるリスク管理が有効と考えられる。

 本レポートに記載された市場データは原則として前営業日終値を使用しており、情報提供のみを目的としたものであり、特定の投資判断を推奨するものではありません。

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