日本市場日報|2026年10月26日

国際要聞

10月23日の米国株式市場は、原油高と長期金利上昇への警戒から主要3指数がそろって下落した。S&P500種指数は7,623.68で前日比39.75ポイント安(0.52%安)、ダウ工業株30種平均は52,215.16ドルで652.82ドル安(1.23%安)、ナスダック総合指数は25,955.34で53.52ポイント安(0.21%安)となった。原油高が輸送、消費、金融など幅広い業種の重荷となる一方、マイクロン、インテル、マイクロソフトなど一部のAI・半導体関連には買いが入った。今週は米連邦公開市場委員会に加え、米大手テクノロジー企業の決算や米個人消費支出物価指数の発表が予定されており、金利と企業収益の両面から値動きが大きくなる可能性がある。

中東では米国とイランの緊張が続き、週末も仲介を通じた連絡が維持される一方、軍事衝突再燃への懸念は解消していない。海上輸送と原油供給への不安が高止まりしているため、地政学情勢は株式、債券、為替、商品を同時に動かす最大の外部要因である。

日本経済要聞

総務省が10月23日に公表した9月の全国消費者物価指数は、総合が前年同月比2.1%上昇、生鮮食品を除く総合も2.1%上昇、生鮮食品とエネルギーを除く総合は2.4%上昇した。基調的な物価上昇が続いており、輸入エネルギー価格の再上昇が家計負担と企業コストを押し上げるリスクがある。

日本銀行は10月29~30日に金融政策決定会合を開き、30日に政策判断と展望レポートの基本的見解を公表する予定である。23日公表の金融システムレポートでは金融システムの安定性が点検された。市場では円相場、長期金利、原油高が物価見通しと政策判断にどう反映されるかが焦点となる。

日本株式市場(前営業日終値)

前営業日の2026年10月23日、日経平均株価は62,693.16円で終了し、10月22日の62,907.84円から214.68円下落、騰落率は0.34%安となった。朝方に61,462.61円まで下げた後、半導体株などへの買い戻しで下げ幅を縮小したものの、続落で取引を終えた。

TOPIXは3,965.81で、前営業日の3,997.50から31.69ポイント下落し、0.79%安となった。日経平均より下落率が大きく、市場全体では原油高や金利上昇への警戒が重かった。週間では日経平均が大幅に下落しており、短期的な自律反発余地と、戻り売り圧力の双方を見極める局面である。

外国為替(FX)市場

ドル円は10月23日におおむね156円台で推移し、26日朝は157円前後へややドル高・円安方向に振れている。米10年国債利回りが5%近辺に上昇したことがドルを支える一方、地政学リスクが強まる局面では円買いも入りやすい。今週の日米金融政策イベントを控え、金利差だけでなく原油高による日本の貿易収支悪化懸念も円相場の変動要因となる。

債券市場

10月23日の米10年国債利回りは4.99%前後へ上昇した。原油高によるインフレ再加速懸念と政府債務への警戒が利回りの押し上げ要因である。日本の長期金利も高水準にあり、日銀会合を前に政策修正観測が強まれば上振れしやすい。金利上昇は銀行などの利ざや改善要因となる一方、高PERの成長株、不動産、負債比率の高い企業には割引率と資金調達費用の上昇を通じて逆風となる。

大宗商品・先物市場

10月23日のBrent原油は3.1%高の1バレル116.72ドルで終了し、2022年6月以来の高値圏となった。WTI原油も100ドルを上回る水準で推移した。供給障害への懸念が続く限り、航空、海運、陸運、化学、電力・ガスなどのコスト圧力に注意が必要である。

金は同日およそ1トロイオンス4,000ドル前後で推移した。高金利は金の重荷だが、地政学リスクが安全資産需要を支えている。銅は世界景気と中国需要の先行指標として、原油とは異なる需要面のシグナルを確認したい。ビットコインは週末前におおむね8万1,000ドル台で推移し、リスク資産全体の選好度を測る補助指標となっている。

恐怖指数(VIX)と市場センチメント

VIX指数は10月23日に19台後半まで上昇した。極端なパニック水準ではないものの、20に近い水準は投資家の警戒が明確に強まっていることを示す。原油、長期金利、地政学情勢、米企業決算という複数の変動要因が重なるため、指数の方向だけでなく、売買高、市場の騰落銘柄数、オプション市場のヘッジ需要を併せて確認する必要がある。

重点業界動向

エネルギー関連は原油高が収益押し上げ要因となる一方、政策対応や需要減速のリスクを伴う。石油元売り、資源開発、商社は相対的に注目されやすい。反対に、燃料費の影響が大きい航空、陸運、海運、電力・ガス、化学、紙・パルプでは価格転嫁力の差が業績格差につながる。

AI・半導体関連は米国市場で一部銘柄が反発したが、高金利下では設備投資回収の確度と収益化の速度が厳しく問われる。国内では半導体製造装置、電子部品、データセンター関連について、受注の実勢と会社計画の進捗を個別に確認したい。銀行株は金利上昇による利ざや改善が支援材料だが、債券評価損や景気悪化に伴う信用コストには注意が必要である。

研究見解

週明けの日本株は、前週末の米株安と原油高が上値を抑える一方、10月23日の安値から大きく戻した流れが下値を支える可能性がある。日経平均とTOPIXの双方で、寄り付き後の値動きと市場の広がりを確認することが重要である。指数が反発しても値下がり銘柄が多い場合は持続力に乏しく、逆にTOPIXと騰落銘柄数が改善すれば自律反発の信頼度が高まる。

今週は日米の金融政策、米大手テクノロジー企業の決算、インフレ指標が集中する。短期的にはポジションを一方向に傾けすぎず、原油高に強い企業、価格転嫁力のある内需企業、財務余力の大きい成長企業を選別する姿勢が有効である。最大のリスクは中東情勢の悪化による原油急騰と金利上昇の同時進行であり、反対に外交進展で供給懸念が後退すれば、輸送・消費関連を中心に反発余地が生じる。

本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。

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