国際要聞
9月28日の米国株式市場は、原油高と米長期金利の上昇を警戒して下落した。S&P500は7,683.69(前日比0.77%安)、ダウ工業株30種平均は51,481.51(同0.67%安)、ナスダック総合は26,820.38(同0.92%安)で取引を終えた。米国とイランを巡る不透明感がホルムズ海峡の供給懸念を強め、インフレと追加利上げへの警戒が株価の重荷となった。一方、エヌビディアは1,500億ドル規模の自社株買い枠を発表し、主要ハイテク株の中で逆行高となった。
日本経済要聞
日本では円安への政策対応が焦点となった。三村淳財務官は、日米両政府が円相場について発したメッセージは明確だとの認識を示し、過度な円安をけん制した。市場では為替介入への警戒が再び強まり、ドル円は一時156円台半ばまで円高方向に振れた。輸入物価の上昇圧力が続くなか、為替の安定と物価、日銀の政策運営の組み合わせが国内景気と企業収益の重要な変数となる。
日本株式市場(前営業日終値)
9月28日の日経平均株価は65,877.62円で終了し、前営業日比486.58円安、0.73%下落した。TOPIXは4,112.00で、前営業日比16.59ポイント安、0.40%下落した。日経平均は一時67,000円台に乗せたものの、9月の権利付き最終日を迎えて利益確定売りが優勢となり、安値引けとなった。日経平均採用銘柄では値上がり53、値下がり171、変わらず1で、技術セクターの寄与度はマイナス293.51円と指数を大きく押し下げた。金融株の一角は相対的に底堅かった。
外国為替(FX)市場
9月28日の海外市場ではドル円が157円台前半を中心に推移し、終盤は1ドル157.43円近辺となった。米10年国債利回りの上昇がドルを支えた一方、日本の通貨当局による円安けん制が上値を抑えた。短期的には米金利上昇と介入警戒という相反する材料が並存しており、158円台から160円に近づく局面では値動きが急になりやすい。
債券市場
米10年国債利回りは一時5.27%近辺まで上昇し、終盤も5.251%と前週末から約7ベーシスポイント高かった。米2年債利回りは4.937%、30年債利回りは5.5704%まで上昇し、高金利長期化への警戒が強まった。日本の10年国債利回りも9月28日に3.097%近辺へ上昇した。日米ともに長期金利が高水準にあるため、株式市場では高PER銘柄や借入依存度の高い業種に対するバリュエーション調整圧力を意識したい。
大宗商品・先物市場
9月28日の原油は、地政学リスクを背景に上昇した後、仲介協議への期待から上げ幅を縮めた。WTI先物は1バレル92.60ドル、Brent先物は105.28ドルで終了した。金スポットは米金利とドルの上昇を受けて3.61%安の1トロイオンス4,131.53ドル近辺となった。原油高は資源・エネルギー企業の追い風になり得る半面、運輸、化学、食品など燃料・原材料コストの影響を受ける業種には逆風となる。
恐怖指数(VIX)と市場センチメント
VIXは16近辺まで上昇し、極端な恐怖水準ではないものの、米金利、原油、地政学情勢を巡る警戒を映して前日より不安心理が強まった。米株の主要3指数がそろって下落し、米長期金利が約20年ぶりの高水準に近づいたことから、投資家のリスク許容度は低下した。東京市場でも指数の高値追いより、業績の確度や財務耐久力を重視する流れが強まりやすい。
重点業界動向
半導体・AI関連では、エヌビディアの大型自社株買いが中長期の成長期待を支えた一方、金利上昇は高い評価倍率への逆風となった。日本市場ではアドバンテストや東京エレクトロンなど指数寄与度の大きい銘柄が相場全体を左右しやすい。エネルギー関連は原油高が追い風だが、運輸や素材の一部ではコスト上昇に注意が必要である。金融は金利上昇による利ざや改善期待が支えとなる一方、急激な金利上昇が信用コストや保有債券に及ぼす影響を見極める必要がある。航空機関連では、米当局がボーイング737 MAX 10の認証を遅らせる見通しが伝わり、サプライチェーンへの波及も注視される。
研究見解
前営業日の日本株は高値から反落し、米国株も金利と原油を材料に下落したため、本日の焦点は外部環境への耐性である。円安は輸出企業の採算を支える一方、当局のけん制が強まっており、為替前提だけに依存した上昇には不安定さが残る。日経平均は値がさ半導体株への集中度が高いため、指数の方向だけでなくTOPIX、騰落銘柄数、金融・内需株の相対強弱を併せて確認したい。短期的には原油と米10年債利回りの上昇一服が反発の条件となり、上昇が続けばキャッシュフローの安定性と価格転嫁力を備えた企業が選好されやすい。
本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。
