国際要聞
米国市場では7月のPCE物価指数が前年同月比3.7%と市場予想をやや上回り、追加利上げ観測が再燃した一方、エヌビディアは四半期決算と次四半期見通しで市場予想を上回り、AI関連需要の強さを改めて示した。米主要3指数は高インフレ懸念と半導体支援が交錯し、ダウは小幅安、S&P500はほぼ横ばい、ナスダック総合はわずかに下げるなど方向感に欠けた。
原油市場では、ホルムズ海峡を巡る供給不安の後退と在庫増加が重なり、WTIとBrentは続落した。米長期金利は依然高水準ながら、インフレ指標通過後は上昇一辺倒ではなく、株式市場では金利敏感株とAI関連の綱引きが続いている。
日本経済要聞
日本では日銀の9月利上げ観測が一段と強まりつつあり、市場は氷見野副総裁の発言を手掛かりに次回会合の温度感を探っている。ロイター調査では、9月に政策金利が1.25%へ引き上げられるとの見方が優勢となり、円安是正には追加利上げが必要との見方も広がっている。
もっとも、ドル円は159円前後と円安圧力がなお強く、輸入物価や国内金利の上振れ懸念は残る。財政拡張観測と金利正常化観測が同時進行しており、内需株と金利敏感株の選別色が強まりやすい地合いである。
日本株式市場(前営業日終値)
本文の市場データ基準日は前営業日の2026年8月26日である。日経平均株価の8月26日終値は66,262.16円で、前営業日の65,856.43円に対して405.73円高、上昇率は0.62%だった。TOPIXの8月26日終値は4,111.02で、前営業日の4,093.67に対して17.35ポイント高、上昇率は0.42%だった。
前営業日の東京市場は、前日の米ハイテク株高とエヌビディア決算への期待が支えとなり、指数主導で反発した。半導体関連や大型グロースが下支えした一方、米金利と為替の不安定さから上値追い一辺倒にはなりにくく、物色はテーマ株と主力株の循環型になりやすい。
外国為替(FX)市場
ドル円はJST 10時09分時点で159.18円近辺と、前日からみて円安水準を維持している。ユーロ円は185円台半ば、豪ドル円は114円台前半で推移しており、クロス円全般でも円の戻りは限定的である。市場では日銀の追加利上げ観測が円の下支え要因となる一方、米金利の高止まりがドル買いを支えている。
債券市場
米10年国債利回りは4.6465%、米30年国債利回りは5.1682%と高水準を維持している。米インフレ指標の粘着性を踏まえると、ジャクソンホール会議での米金融当局の発言が長期金利の次の方向を左右しやすい。
日本の債券市場では、日銀の9月利上げ観測を背景に金利の先高観が残る一方、足元では副総裁発言待ちで様子見も混じる。株式市場では銀行など金利上昇メリット銘柄が相対的に注目されやすい半面、長期金利の急騰は株式全体のバリュエーションを圧迫しやすい。
大宗商品・先物市場
WTI原油先物の中心限月は82.23ドル、Brent原油先物は87.84ドルまで下落し、地政学リスクの後退が相場を押し下げた。金は1トロイオンス当たり4,598.20ドルと高値圏を維持しつつも、米インフレ上振れを受けてやや反落した。
非鉄では、銅は供給制約と米国の関税観測を背景に高値圏にあり、直近ではLME3カ月銅が14,343ドルまで上昇する局面があった。資源価格は落ち着きつつあるが、円安が続く限り日本企業の輸入コスト負担はなお無視しにくい。
恐怖指数(VIX)と市場センチメント
VIXは8月26日時点で15.21と20を下回っており、米株市場のセンチメントは警戒を残しつつもパニックには至っていない。もっとも、米インフレ指標、エヌビディア決算、ジャクソンホール会議という重要イベントが短期間に集中しており、イベント通過までは一時的なボラティリティ再拡大に注意が必要である。
重点業界動向
半導体とAI関連は引き続き相場の中核である。エヌビディアの強い決算はAI投資継続の安心材料であり、日本市場でも装置、素材、電線、データセンター関連に追い風となりやすい。加えて、キオクシアが1兆円超の新工場投資を計画すると報じられており、メモリー、製造装置、部材サプライチェーンへの波及が意識される。
一方で、銀行・保険など金融株は日銀の追加利上げ観測が支援材料となる。輸出主力株は円安の恩恵を受けやすいが、米金利上昇や世界景気減速が重なる場合は外需見通しの不確実性が残るため、為替メリットだけでは選別しにくい局面に入っている。
研究見解
短期的には、東京市場はAI関連の外部追い風と円安支援を受けやすい一方、米インフレ再加速懸念と主要イベント前の金利変動が上値を抑えやすい。したがって、半導体・データセンター関連の成長テーマと、金利上昇恩恵を受ける金融株を軸にしつつ、原材料高や調達コストの影響を受けやすい銘柄は利益率の耐久性を厳しく見極めたい。
指数は高値圏にあるため、物色の主戦場は全面高よりも利益成長の確度が高いセクターへ絞られやすい。次の焦点は、日銀の発信が円と国内長期金利の不安定さをどこまで抑えられるか、そして米当局がインフレと金利の高止まりにどう向き合うかである。
本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。
