国際要聞
中東情勢では、米国が対イラン追加攻撃を見送り、オマーン経由の外交再開期待が強まった。これを受けて原油リスクプレミアムが後退し、米国株は3日続伸、NYダウは過去最高値圏まで上昇した。一方で、イラン側は米国との直接協議を否定しており、ヘッドライン主導の相場が続いている。
日本経済要聞
日米当局は円買い協調介入を公表し、円安是正と輸入インフレ抑制の姿勢を鮮明にした。日銀は前週会合で政策金利を据え置いたが、円相場と物価の動き次第では追加引き締め観測が残る。4日の国内債券市場では10年国債入札を控え、財政と金融政策の両面を意識した神経質な値動きが続きやすい。
日本株式市場(前営業日終値)
対象データ日は2026年8月3日である。日経平均株価は63,754.90円で引け、前営業日比607.12円安、騰落率はマイナス0.94%だった。円高進行が輸出関連株の重荷となり、電機、自動車、設備投資関連に売りが広がった。TOPIXは3,960.03で4,000ポイントを割り込み、相場全体でも外需敏感株に利益確定売りが出やすい地合いだった。
外国為替(FX)市場
ドル円は4日9時59分時点で1ドル157.49円近辺と、協調介入直後の155円台からはいったん戻したが、7月までの163円台と比べれば円高方向を維持している。3日の東京株式市場引け時点では156.63円近辺で、輸出企業の採算期待をやや圧迫した。為替は当面、追加介入の有無と日米金利差の再拡大をめぐって振れやすい。
債券市場
米10年国債利回りは4.68%前後まで低下し、前週末の4.75%からやや水準を切り下げた。中東の緊張緩和期待でインフレ懸念が後退したことが主因である。日本の10年国債利回りは4日朝に2.810%と1bp低下したが、水準自体は高止まりで、日銀の追加利上げ観測と財政懸念が引き続き上値圧力として残る。
大宗商品・先物市場
原油は外交再開期待を受けて急反落し、ブレントは83ドル台、WTIは70ドル台後半まで低下した。エネルギー高による日本の交易条件悪化懸念はやや和らいだが、ホルムズ海峡の情勢次第で再び振れ幅は大きくなりうる。金はCOMEXで1トロイオンス4,033.70ドルまで軟化し、安全資産需要は一服した。ビットコインも6.2万ドル台へ弱含み、リスク資産の選別色が続いている。
恐怖指数(VIX)と市場センチメント
米株の上昇と原油下落を受け、恐怖感そのものはピークアウト方向にある。VIXは20割れ圏にとどまり、VIX先物も前場で下押しされた。もっとも、円買い介入、中東情勢、週後半の米雇用指標という変動要因が重なっており、安心感はまだ脆い。
重点業界動向
半導体関連は米ハイテク株高を受けて4日朝の東京市場で買い戻しが入り、キオクシアやレーザーテックなどが相場を支えている。一方で、自動車や電機など外需大型株は円高局面で業績期待が削られやすい。原油反落は空運、陸運、化学などコスト感応度の高い業種には追い風となる半面、エネルギー関連株には逆風となる。
研究見解
日本市場の短期テーマは、円相場の安定と原油リスクプレミアムの剥落が企業収益の再評価につながるかどうかである。足元では、外需株全般を機械的に買い戻す局面ではなく、円高耐性のある内需、コスト低下メリットを受ける輸送・消費関連、そしてAI投資の恩恵が明確な半導体周辺へ資金が選別的に向かいやすい。逆に、為替前提の切り上がりだけで買われてきた銘柄は、決算期に向けて見直し売りが続く可能性がある。
本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。
