国際要聞
中東情勢の緊張再燃で原油が週央に急騰した後、7月24日にはやや反落したものの高止まりが続いた。米国株はダウ工業株30種平均が51,947.25と前日比0.5%高、S&P500種が7,411.98と小幅高だった一方、ナスダック総合は24,975.82と0.6%安で、AI投資負担への警戒が引き続き相場の重しとなった。米10年国債利回りは4.681%と高水準を維持しており、今週のFOMCを前に金利とエネルギー価格の同時高がグローバル株式の評価を圧迫している。
日本経済要聞
日本の6月輸出は前年同月比19.3%増と市場予想を上回り、AI関連需要と円安が追い風となった。一方で輸入は25.4%増となり、貿易収支は4,069億円の赤字だった。7月24日に公表された6月全国コアCPIは前年同月比1.6%上昇と前月の1.4%から伸びが加速したが、日銀の2%目標は5カ月連続で下回った。エネルギー高と円安の輸入物価波及が続くなか、今週の日銀会合では現状維持観測が優勢でも、先行きの物価見通しと利上げ時期への注目は強い。
日本株式市場(前営業日終値)
前営業日である2026年7月24日の東京株式市場では、日経225が64,611.15で引け、前営業日の66,422.60から1,811.45安、騰落率は-2.73%だった。TOPIXは4,011.31で引け、前営業日の4,053.88から42.57安、騰落率は-1.05%だった。米大型テックの設備投資負担への懸念を受けて半導体・AI関連が売られ、指数寄与度の高い値がさ株が日経平均を押し下げた。原油高と長期金利上昇も重なり、相場全体はリスク圧縮色の強い一日となった。
外国為替(FX)市場
7月24日東京市場のドル円は1ドル=163.83円前後で推移し、1980年代後半以来の円安圏が続いた。米金利高と原油高がドルを支える一方、日本当局のけん制発言だけでは円買いは限定的だった。来週の日米中銀会合を控えて持ち高調整は入りやすいが、金利差と輸入インフレ圧力が解消しない限り、円の自律反発はなお限定的とみられる。
債券市場
米10年国債利回りは7月24日に4.681%となり、インフレ再燃警戒を映して高止まりした。日本10年国債利回りも2.804%と約30年ぶりの高水準圏にあり、円安と原油高が日銀の追加正常化観測を後押ししている。国内では金利上昇が銀行・保険には追い風となる一方、グロース株や不動産には逆風であり、株式市場の物色差を広げやすい局面に入っている。
大宗商品・先物市場
WTIは7月24日に1バレル89.24ドル、Brentは97.83ドルまで低下したが、週内急騰後の反落にとどまり依然として高値圏にある。金は1トロイオンス4,030ドル台前半で高止まりし、銅は6.357ドル前後で推移した。エネルギー高は日本の交易条件を悪化させやすく、非鉄の底堅さはAI関連投資と電力インフラ需要の継続を示唆している。
恐怖指数(VIX)と市場センチメント
VIXは7月24日に18.58と前日の18.70からやや低下したが、依然として平時より高い水準にある。株式市場は全面的なパニックではないものの、AI投資回収への疑念、中東情勢、原油高、金利上昇が同時進行しており、押し目買いよりもポジション圧縮を優先する投資家が増えやすい地合いである。
重点業界動向
半導体・AI関連は米国大型テックの資本支出拡大を受け、短期的には収益化までの時間差が嫌気されやすい。もっとも、日本の輸出統計ではAI関連データセンター需要がなお強く、中長期の需要基盤は崩れていない。銀行・保険は国内外金利の上昇で相対優位を保ちやすい半面、空運・陸運・内需消費は燃料高と円安によるコスト上昇を受けやすい。自動車や機械は円安恩恵が残るが、部材高と世界景気減速懸念の綱引きが続く。
研究見解
足元の日本市場は、円安メリットだけで株高を説明しにくい局面に入っている。輸出とAI関連需要は景気の下支え要因だが、原油高、長期金利上昇、AI投資の採算懸念がバリュエーション調整を促しやすい。短期的には日銀会合とFOMCを前に高PERグロース株の変動率が高まりやすく、指数全体では戻り売り圧力が残りやすい。一方で、金利上昇を取り込みやすい金融、価格転嫁力を持つ一部資源・インフラ関連、外需の裏付けがある選別的な輸出株には相対的な耐性が見込まれる。
本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。
