日本市場日報|2026年7月24日

国際要聞

7月23日の米国株式市場は、アルファベットとテスラの決算を受けたAI投資負担への警戒と、中東情勢の緊迫化に伴う原油高が重なり、主要3指数がそろって下落した。ダウ工業株30種平均は51,711.65で前日比506.93ドル安、S&P500は7,408.30で90.66ポイント安、ナスダック総合は25,137.69で553.21ポイント安となり、グローバルなリスク選好はやや後退した。

金利面では、原油上昇を受けたインフレ警戒から米10年国債利回りが4.68%台から4.70%近辺へ上昇し、長期金利全般に売り圧力が波及した。米国のAI投資拡大期待は残る一方、足元では利益確定とバリュエーション調整が優勢になっている。

日本経済要聞

日本では、政府の経済政策青写真を巡り、金融政策の具体的手段は日本銀行に委ねるとの整理が改めて示され、市場が警戒していた日銀独立性への懸念を和らげる方向となった。ただし、円安と物価上振れを背景に早期追加利上げ観測は根強く、政策期待の修正だけで金利上昇圧力がすぐに後退する状況ではない。

実体経済では、実質賃金の持ち直しが続く一方で、輸入物価由来のインフレ圧力が家計と企業コストの双方に残る。円安とエネルギー高の組み合わせは内需株に逆風となりやすく、設備投資やAI・半導体分野への成長期待と、生活コスト上昇の綱引きが続いている。

日本株式市場(前営業日終値)

2026年7月23日(木)の東京株式市場では、日経平均株価は66,422.60円で取引を終え、前営業日終値66,115.60円に対して307.00円高、騰落率は+0.46%だった。米ハイテク株高を受けた半導体関連株への買いが支えとなった一方、日銀の追加利上げ観測が上値を抑えた。

TOPIXは4,053.88で引け、前営業日終値4,033.13に対して20.75ポイント高、騰落率は+0.51%だった。銀行株など金利上昇メリット銘柄が相対的にしっかりだった半面、小売など内需ディフェンシブの一角には利益確定売りが見られた。

外国為替(FX)市場

ドル円は7月23日の東京市場終盤で1ドル=163.07円前後と、円安方向で推移した。その後の7月24日朝には163.8円台までドル高・円安が進み、1980年代以来の円安圏が意識されている。背景には、米金利の高止まり観測に加え、中東リスクに伴う原油高が日本の交易条件を悪化させるとの見方がある。

当局の口先介入警戒は残るが、現時点では金利差と資源価格上昇がドル買い・円売りを支える構図が続く。短期的には163円台後半から164円接近時の値動きが市場心理を左右しやすい。

債券市場

日本国債市場では、7月23日に2年国債利回りが1.49%と1995年以来の高水準を付け、10年国債利回りも2.76%へ上昇した。日銀の追加利上げを織り込む動きと、円安抑制を意識した政策修正観測が短中期ゾーンの金利を押し上げている。

海外では米10年国債利回りが4.7%近辺まで上昇し、原油高を通じたインフレ再加速懸念が債券売りを誘発している。日米ともに長期金利の上振れが株式の高PER銘柄に逆風となりやすい局面だ。

大宗商品・先物市場

エネルギー市場では、7月23日にブレント原油先物が1バレル=100.69ドル、WTI先物が92.19ドルまで上昇し、中東情勢の悪化を背景に供給不安が強まった。日本市場にとっては輸入インフレ圧力の再燃を意味し、航空、電力、素材など幅広い業種の採算見通しに影響しやすい。

金先物は同日に1トロイオンス=4,046.50ドルへ下落し、高金利環境が上値を抑えた。LME銅3カ月先物は7月23日終盤に1トン=13,603.50ドル近辺まで軟化しており、景気敏感資産は原油高による景気減速懸念と需給の引き締まりが交錯している。

恐怖指数(VIX)と市場センチメント

米株の下落と金利上昇を受けて、VIXは18.85近辺まで上昇し、1カ月ぶりの高水準圏に入った。投資家心理は極端な悲観には達していないものの、AI相場一辺倒からエネルギー高・金利高を織り込むリスク管理モードへ移りつつある。

ビットコインは7月23日時点で64,885ドル前後から65,700ドル近辺で上値の重い推移となり、リスク資産全般の選別姿勢を映している。株式、為替、暗号資産のいずれも、金利と地政学が主導する神経質な地合いにある。

重点業界動向

半導体・AI関連では、米国での大型設備投資継続期待が日本の装置・検査銘柄に追い風となり、前営業日の東京市場でも関連株が地合いを支えた。一方で、米大型テックの投資負担に対する市場の見方は厳しく、AI需要期待だけで一方向に買い上がる局面は終わりつつある。

金融では、国内金利上昇を背景に銀行株が相対優位を保ちやすい。逆に、円安と原油高の同時進行は小売、運輸、生活関連などコスト転嫁力に差が出やすい業種の選別を強める公算が大きい。資源高メリットを受ける商社やエネルギー関連も物色対象に入りやすい。

研究見解

足元の日本市場は、AI・半導体を軸とする成長期待と、原油高・円安・金利上昇がもたらす割高株調整圧力がせめぎ合う局面にある。前営業日の日本株は上昇で引けたが、これは強気相場への回帰というより、グローバル資金が成長株と金利恩恵株を選別している結果と見るのが妥当だ。

短期的な注目点は、原油が100ドル台に定着するか、ドル円が164円方向へ一段と円安を進めるか、そして日米の長期金利上昇がどこまで株式バリュエーションを圧迫するかである。輸出・金融・資源関連には相対優位が残る一方、内需消費や高PERグロースには引き続き慎重な見方が必要だ。

本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。

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