国際要聞
国際金融市場では、米金融政策の先行きと地政学リスクが同時に意識され、マルチアセットでボラティリティの高い局面が続いている。貴金属は、直近の急落後も値動きが荒く、短期のポジション調整やドル高局面での利益確定が交錯しやすい。原油市場では、中東情勢を巡る緊張と米・イラン協議への注目が続き、供給懸念が断続的に価格を押し上げる一方で、ヘッドライン次第で急反落も起こり得る環境にある。
日本経済要聞
日本国内では、為替の円安方向への振れと海外市場の変動が重なり、輸出企業の採算見通しと内需の底堅さが綱引きとなっている。株式市場は高値圏にある一方で、指数寄与度の大きい銘柄の決算内容やガイダンスが短期の方向感を左右しやすい。金利面では、選挙・財政観測を背景に長期金利の水準感に市場の関心が集まり、債券は政策期待と需給のバランスを映した神経質な値動きが続いている。
日本株式市場(前営業日終値)
前営業日(2月4日)の東京株式市場では、日経平均株価が54,293.36円で取引を終え、前日急伸の反動で反落した。TOPIXは3,655.58で引け、相対的には底堅さを維持した。短期的には、決算材料を手掛かりとした個別物色が中心となりやすく、外部環境(米金利・為替・コモディティ)次第で指数の振れが大きくなりやすい局面が続く。
外国為替(FX)市場
為替市場では、ドル/円が156円台を中心に推移し、円安基調が継続した。日本銀行公表の外為市況では、2月4日17:00時点のドル/円スポットは156.42-44とされ、同日のレンジは155円台後半から156円近辺で推移した。米金利動向とリスク選好の変化が重なり、短期的にはレンジの切り替わりが起きやすい状況にある。
債券市場
米国債市場では、長期金利が4.27%近辺で推移し、金融政策見通しと需給(入札・資金調達見通し)が意識されている。日本国債市場では、10年金利が2.25%近辺で推移し、政策スタンスに加え、財政・政治要因を巡る見方が金利の上振れリスクとして残っている。株式・為替の変動が大きい局面では、債券の安全資産需要と金利上昇圧力が交錯しやすい。
大宗商品・先物市場
商品先物市場では、貴金属の値動きが引き続き市場心理に大きく影響している。NY金先物は4,932.69、銀先物は84.480まで上昇し、急落局面からの戻りと短期の過熱感が同居する展開となった。工業金属では、銅先物が6.0355(ドル/ポンド)と高値圏で推移しつつも、景気見通しと在庫・供給不安の綱引きで上下しやすい。
エネルギー関連では、WTI原油先物が63.21、ブレント原油先物が67.90となり、中東情勢と米・イラン協議に対する思惑が価格形成を左右している。天然ガス先物は3.441と反発し、在庫・天候・需給見通しに敏感な値動きが継続している。
農産物・ソフトコモディティでは、コーン先物が428.50(セント/ブッシェル)とレンジ推移となり、需給バランスと輸送・天候要因が短期材料になりやすい。コーヒーは308.60と下落基調が続き、在庫・生産見通しの変化が価格の振れを大きくしている。加えて、ロブスタも3,775.00と上昇するなど、同じコーヒーでも銘柄間の強弱が目立つ局面となっている。
恐怖指数(VIX)と市場センチメント
市場センチメントは、貴金属・原油などコモディティの急変と、金利・為替の同時変動により不安定さが残っている。短期では「ヘッドライン起点の急変」が最も大きなリスクとなり、イベント前後でのポジション調整が価格変動を増幅させやすい。
重点業界動向
製造業・設備投資関連では、AI・半導体・電子部品など成長領域への投資期待が継続する一方、指数寄与度の高い銘柄の決算が市場全体の方向性を左右しやすい。資源・素材関連では、金・銀・銅などの価格変動が企業収益見通しと投資判断に直結しやすく、ヘッジ需要の増減が株価の振れを拡大させる可能性がある。エネルギー関連では、原油・ガスの高ボラティリティが継続しており、地政学・外交イベントが短期材料として意識されやすい。
研究見解
日本株式市場は高値圏を維持しつつも、前営業日に反落したように短期の過熱感が解消されやすい局面にある。為替が円安方向に振れ、商品市場が大きく動く環境下では、指数の上下よりも「決算と需給で動く個別銘柄の強弱」が相対的に重要となる。
マルチアセット戦略では、株式・為替・債券・商品・暗号資産を横断した分散を基本とし、ボラティリティ上昇局面ではポジションサイズの調整とリスク管理(損失許容の明確化、ヘッジの使い分け)が一段と重要となる。
本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。
