国際要聞
米国では11月3日の中間選挙の開票が進み、議会の勢力図を巡る不確実性が世界の金融市場を左右する局面に入った。政策変更への警戒は残るものの、米国株は大型テクノロジー株の反発に支えられた。S&P500種株価指数は7,568.92で前日比0.36%高、ナスダック総合は25,372.01で0.83%高となった一方、ダウ工業株30種平均は51,786.72で0.38%安だった。エヌビディアやブロードコムが上昇し、アップルの下落を補った。米国の9月求人件数が市場予想を上回ったことも、景気の底堅さを意識させた。
日本経済要聞
11月4日の東京市場は、文化の日の休場明けで、米中間選挙の開票状況、米長期金利、円相場を同時に織り込む展開となっている。国内では企業決算が相次ぐため、指数全体より個別業績への選別色が強まりやすい。前営業日の11月2日は、休日前の持ち高調整と米国株安が重荷となった一方、原油安が輸入コストへの警戒を和らげ、日中には株価指数が上昇へ転じる場面もあった。景気敏感株では外需環境、内需株では物価と金利の影響を見極める必要がある。
日本株式市場(前営業日終値)
前営業日である2026年11月2日の日経平均株価は63,081.86円で終了した。10月30日の63,290.11円から208.25円下落し、騰落率は0.33%安だった。始値は62,972.02円、高値は63,615.32円、安値は62,712.91円で、休日前の様子見姿勢が強い中でも値幅の大きい取引となった。
TOPIXは3,930.28で終了した。10月30日の3,965.07から34.79ポイント下落し、騰落率は0.88%安だった。日経平均より下落率が大きく、市場全体では売りが優勢だった。東証プライム市場の売買代金は約7兆6,404億円と高水準で、決算発表や指数関連の売買が活発だった。11月4日午前は日経平均とTOPIXがともに下落しており、米中間選挙の開票情報と半導体株の値動きへの感応度が高い。
外国為替(FX)市場
11月2日の東京市場ではドル円が157円台後半で推移し、午後3時時点は157.77円から157.82円だった。11月4日朝には158円台後半までドル高・円安が進み、午前9時台の東京市場では158.59円近辺が確認された。米10年債利回りの上昇がドルを支える一方、米中間選挙の結果を巡る不確実性が円買いを誘う可能性もある。輸出企業には円安が収益面で追い風となるが、輸入物価の再上昇には注意が必要だ。
債券市場
11月2日の国内債券市場では、新発10年国債利回りが2.770%と前営業日から横ばいで終了した。休場前かつ米中間選挙前で、方向感の乏しい取引だった。米国では11月3日に10年国債利回りが前日の4.91%から4.96%へ上昇した。求人件数の強さが米景気の底堅さを示し、金融緩和期待をやや後退させた。日米金利差が再び意識されれば、円相場と日本の高PER銘柄の評価に影響しやすい。
大宗商品・先物市場
原油市場は中東情勢を巡る思惑で大きく振れた。11月3日の北海ブレント原油先物は一時1バレル107ドルを上回った後に101ドルを割り込み、最終的に103.60ドルと前日比1.1%安で終了した。高値圏にあるものの、前日までの急落と合わせ、インフレ懸念には一定の緩和材料となる。ニューヨーク金先物は1トロイオンス3,933ドル台、銅先物は1ポンド6.40ドル台で推移し、ともに軟調だった。ビットコインは7万7,000ドル前後で値動きが大きく、投資家のリスク許容度を測る補助指標として注視される。
恐怖指数(VIX)と市場センチメント
VIX指数は11月3日に21台へ上昇し、投資家心理の警戒水準とされる20を上回った。S&P500とナスダックが上昇した一方で、指数構成銘柄の多くは下落しており、大型AI関連株に支えられた狭い上昇だった。中間選挙の結果、原油価格、米金利が同時に変動し得るため、表面的な株価指数の反発だけでリスク選好が全面回復したとは判断しにくい。
重点業界動向
半導体・AI関連では、米国市場でエヌビディアが2.3%、ブロードコムが3.1%上昇し、日本の半導体製造装置や電子部品株にも支援材料となる。ただし、韓国の主要半導体株が売られ、韓国総合株価指数が3.6%下落したことは、アジアのハイテク株に利益確定圧力が残ることを示す。アップルはメモリー価格上昇による採算悪化への警戒で1.9%下落したため、部品供給企業では出荷数量だけでなく価格転嫁力の差が重要になる。
エネルギー関連では、原油高が資源開発企業の追い風となる一方、航空、海運、化学、電力・ガスなど燃料コストの影響を受ける業種には重荷となる。原油相場の急変は業種間の優劣を短期間で反転させる可能性がある。金融株は国内金利の高止まりが利ざや改善要因となるが、米金利上昇に伴う株式市場の変動拡大には注意が必要だ。
研究見解
本日の焦点は、米中間選挙の開票結果そのものに加え、それが財政・規制・エネルギー政策への期待をどう変えるかである。前営業日の日本株はTOPIXの下落率が日経平均を上回り、市場の内部には弱さが残った。11月4日午前の下落も踏まえると、短期的には指数の水準より、上昇銘柄の広がり、米10年債利回り、ドル円、原油価格の組み合わせを確認することが重要である。
大型AI株の反発は半導体関連の下支えになり得る一方、VIXが20を上回り、原油と金利の変動も大きい。決算内容と通期見通しに裏付けられた銘柄を選別し、政治イベントの見出しだけを追う高値追いは避けたい。中期的には、円安恩恵だけでなく、コスト上昇を吸収できる価格決定力、健全なキャッシュフロー、資本効率の改善を備える企業が相対的に評価されやすいと考える。
本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。
