国際要聞
米連邦準備制度理事会(FRB)は10月28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いた。前月の利上げ後、インフレ抑制効果と景気への波及を見極める姿勢を示した。米国株は方向感を探りながら小幅高となり、S&P500は7,743.98(前日比+0.28%)、ダウ工業株30種平均は52,475.10(+0.19%)、ナスダック総合は26,549.85(+0.27%)で終了した。米10年国債利回りは5.02%へ上昇した。
企業決算では、AI・クラウド投資の収益性が引き続き焦点となった。Alphabetは7〜9月期に売上高を前年同期比25%伸ばした一方、市場予想をわずかに下回り、時間外取引で株価が下落した。韓国SKハイニックスはAI向けメモリー需要への強気な見通しを示し、同社株と韓国株を押し上げた。
日本経済要聞
日本銀行は29日、2日間の日程で金融政策決定会合を開始した。結果と経済・物価情勢の展望は30日に公表される予定で、市場は物価、円安、長期金利上昇に対する日銀の評価を注視している。国内では企業の中間決算発表が本格化しており、業績上方修正や株主還元の有無が個別株選別の中心となっている。
アドバンテストは2027年3月期の営業利益予想を8,460億円から9,670億円へ引き上げ、自社株買いも発表した。AI半導体向けテスター需要の強さを示す内容で、半導体関連株の業績期待を支える一方、指数寄与度の高い少数銘柄への集中にも注意が必要である。
日本株式市場(前営業日終値)
本文の市場データ対象日は、公開日10月29日の直近JPX取引日である2026年10月28日。日経平均株価は63,954.19円で、前営業日比685.82円高、1.08%上昇した。AI・半導体関連の値がさ株が相場をけん引し、アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、キオクシアホールディングスなどが指数を押し上げた。
一方、TOPIXは3,991.71で、前営業日比5.66ポイント安、0.14%下落した。東証プライム市場では値上がり431銘柄に対して値下がり1,092銘柄となり、日経平均の上昇とは対照的に市場の広がりは弱かった。33業種中、上昇は10業種にとどまり、保険、食料品、石油・石炭製品が下落率上位となった。
外国為替(FX)市場
ドル円は10月29日朝に1ドル=158円台を回復した。FOMC後も米長期金利が5%台を維持したことがドルを支える一方、日銀会合を前に円売りを一方向へ傾けにくい状況である。158円台では日本政府・日銀の円安けん制にも警戒が必要であり、30日の政策判断と植田総裁会見が次の方向性を左右しやすい。
債券市場
米10年国債利回りは10月28日に5.02%と、前日の4.99%から上昇した。FOMCは政策金利を据え置いたが、2人の参加者が利上げを主張したことから、インフレ警戒が残った。日本の10年国債利回りは10月28日時点で2.829%近辺と高水準にあり、日銀の物価見通しと国債買い入れ方針が注目される。
大宗商品・先物市場
原油は中東情勢と供給不安を背景に高止まりした。10月28日のBrent原油は2%上昇して1バレル=111.64ドルとなり、エネルギーコストが世界のインフレを再加速させるリスクが意識された。WTIも100ドル台で推移している。金は4,000ドル近辺で底堅く、地政学リスクによる安全資産需要と高金利による保有コストがせめぎ合っている。ビットコインは8万ドル前後で変動が大きく、金利とリスク選好の双方に敏感な状態が続く。
恐怖指数(VIX)と市場センチメント
VIX指数は10月28日に16.91で終了した。極端な警戒水準ではないものの、FOMC、米大型テクノロジー企業の決算、中東情勢、日銀会合が重なるため、短期的な変動率上昇には注意が必要である。米株が小幅高を維持した一方、日本株では日経平均上昇とTOPIX下落が併存しており、表面上の指数より慎重な投資家心理がうかがえる。
重点業界動向
半導体・AI関連では、SKハイニックスがAI向けメモリー需要は供給を上回るとの見通しを示し、国内でもアドバンテストの業績上方修正が追い風となった。テスター、製造装置、高帯域幅メモリー、先端基板など供給制約が続く分野への期待は強い。
ただし、10月28日の日経平均上昇は少数の値がさ半導体株に集中した。保険、食品、エネルギーなど広範な業種は弱く、指数上昇を市場全体の強さと同一視できない。高金利と原油高は、借入依存度の高い企業、輸送、素材、消費関連の利益率を圧迫しやすい。
研究見解
短期の日本株は、半導体関連の業績期待と、金利・原油・為替の逆風が綱引きする局面にある。日経平均が高値を試すには、半導体以外にも上昇が広がり、TOPIXが4,000を安定的に回復することが重要である。値上がり銘柄数、業種別騰落、長期金利を併せて確認したい。
日銀会合では政策金利だけでなく、物価見通し、円安への認識、国債市場への姿勢が焦点となる。米国ではFOMC後も追加利上げ観測が残り、今後のGDP、物価、雇用統計が金利見通しを左右する。企業業績が強くても割引率上昇が株価評価を抑える可能性があるため、利益成長の持続性とキャッシュフローを重視した選別が妥当である。
本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。
