国際要聞
10月2日の米国市場では、9月の雇用者数が前月比2万9,000人増にとどまり、8月の13万3,000人増から大きく減速した。金融引き締め再開への警戒が後退し、S&P500は前日比56.27ポイント高の7,722.72、ダウ工業株30種平均は250.40ドル高の51,176.96、ナスダック総合は319.27ポイント高の27,190.86で終了した。中東情勢とインフレは引き続き主要な不確実性であり、G7による石油・軽油1億バレルの放出方針に続き、主要産油国は11月の生産量を据え置くことで合意した。
日本経済要聞
日本銀行は本日14時に10月の地域経済報告を公表する予定で、賃金と価格転嫁、個人消費、地域別の景況判断が注目される。足元では輸入物価に影響する原油高と円安が続く一方、長期金利も高水準にあり、企業の資金調達負担と家計の購買力を同時に点検する局面である。本日の東京市場では米雇用統計を受けた米株高を追い風に、寄り付き後の日経平均が大幅高となっている。
日本株式市場(前営業日終値)
前営業日である2026年10月2日の日経平均株価は68,309.46円で終了し、前営業日比647.26円安、騰落率は0.94%安となった。前日の急伸後の利益確定売りに加え、米雇用統計の発表を控えた持ち高調整が重荷となった。TOPIXは4,091.00で、前営業日比40.98ポイント安、0.99%安だった。日経平均構成銘柄では上昇51、下落173、変わらず1となり、下落の広がりが確認された。一方、AI関連ではアドバンテストなど一部銘柄に買いが残り、半導体株の中でも選別色が強かった。
外国為替(FX)市場
ドル円は週末を157円台後半で終え、本日10時前後も157円台後半で推移している。弱い米雇用統計は米利上げ観測を後退させてドルの上値を抑える一方、原油高による日本の貿易収支悪化懸念と日米金利差は円安要因として残る。短期的には158円近辺での上値の重さと、米金利低下局面での円買い戻しの強さを見極めたい。
債券市場
米10年国債利回りは10月2日、雇用統計直後に5.17%を下回った後、原油価格の持ち直しとともに5.28%付近へ戻した。景気減速による金利低下圧力と、原油・財政を通じたインフレ上昇圧力が綱引きとなっている。日本の新発10年国債利回りは10月2日終値でおおむね3.10%となり、日銀の追加政策対応や国債需給への警戒が続く。
大宗商品・先物市場
10月2日のBrent原油は値動きの荒い展開の末、1バレル102.25ドルで決済した。OPECプラスの主要7カ国が11月の生産量を据え置いたことで、供給制約への警戒は残りやすい。WTI原油は90ドル台前半、金は1トロイオンス4,170ドル前後、ビットコインは8万4,000ドル前後で週末を迎えた。原油高は世界のインフレ期待と企業コストを押し上げる一方、金の高値圏は地政学・財政リスクへのヘッジ需要を映している。
恐怖指数(VIX)と市場センチメント
VIX指数は10月2日に15台前半へ低下し、米雇用統計後の株高と利上げ観測後退を反映した。ただし、米10年金利は一時低下後に切り返し、Brent原油も100ドルを上回っている。低いVIXだけで全面的なリスク選好と判断せず、金利・原油・為替の同時変動を確認する必要がある。
重点業界動向
半導体・AI関連は引き続き市場の中心である。米国では10月2日にNVIDIAが上昇して指数を押し上げ、Teslaも四半期納車台数48万6,532台を受けて上昇した。日本ではアドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループなど指数寄与度の高い銘柄への資金集中が続く一方、前営業日は銘柄ごとの差が拡大した。エネルギー関連は100ドル超のBrent原油が収益追い風となる可能性があるが、航空、陸運、化学、電力・ガスなど燃料コストの影響を受ける業種には逆風となる。
研究見解
本日の日本株は、弱い米雇用統計による米利上げ観測後退と米ハイテク株高を好感しやすい。ただし、日経平均は一部の値がさ株の影響が大きく、指数上昇と市場全体の強さを分けて評価すべきである。確認点は、TOPIXが日経平均に追随するか、ドル円が158円近辺を明確に上抜けるか、米10年金利が5.2%台で安定するか、原油高が再加速するかの4点である。高金利と高原油が同時に続けば、グロース株の評価と内需企業の利益率の双方に調整圧力がかかり得るため、業績の確度と価格転嫁力を重視した選別が妥当である。
本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。
