日本市場日報|2026年9月7日

国際要聞

9月4日の米国市場では、8月の非農業部門雇用者数が前月比16万2,000人増と市場予想を大きく上回り、失業率も4.1%で横ばいとなった。労働市場の底堅さを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月会合で利上げに動く可能性が再び意識された。米主要株価指数はそろって下落し、ダウ工業株30種平均は53,414.25ドル(前日比271.86ドル安、0.51%安)、S&P500は7,718.60(0.38%安)、ナスダック総合は26,506.99(0.29%安)で終了した。一方、半導体関連には相対的な強さがみられ、指数内部では選別色が残った。9月7日は米国がレーバーデーで休場となるため、東京市場では海外投資家の参加低下と流動性の薄さに注意が必要である。

日本経済要聞

国内では、日銀の追加利上げペースを巡る思惑と政府・米国側からの円安是正圧力への警戒が為替と金利を動かしている。9月4日発表の7月家計調査では実質消費支出が前年同月比3.6%減となり、物価高が家計の購買力を圧迫している状況が示された。金融正常化への期待が円高要因になる一方、消費の弱さは急速な引き締めへの制約となる。政策期待だけでなく、賃金、サービス価格、個人消費の持続性を併せて確認する局面である。

日本株式市場(前営業日終値)

直近取引日の9月4日、日経平均株価は65,020.94円で終了し、9月3日の64,214.48円から806.46円上昇、騰落率は1.26%となった。5営業日ぶりの反発で、米長期金利の上昇一服を受けた買い戻しが入り、ソフトバンクグループやファーストリテイリングなど指数寄与度の大きい銘柄が押し上げた。TOPIXは4,103.23で、9月3日の4,102.04から1.19ポイント上昇、騰落率は0.03%だった。日経平均の大幅高に対してTOPIXは小幅高にとどまり、上昇の裾野は限定的だった。東証プライムでは情報・通信、証券、非鉄金属が相対的に強い一方、銀行、海運、鉄鋼などには利益確定売りがみられた。

外国為替(FX)市場

9月4日の東京市場ではドル円が一時155円台前半まで下落した後、156円台へ持ち直し、日銀公表の17時時点は1ドル=156円29~30銭だった。ニューヨーク終値は156.26円前後となり、強い米雇用統計と米金利上昇を受けてドルが支えられた。円相場は日銀の利上げ観測と米国の金融引き締め観測が綱引きする構図で、方向感よりも値幅が拡大しやすい。輸出株には円高が利益見通しの逆風となる一方、輸入コスト負担の大きい小売、食品、空運には支援材料となり得る。

債券市場

9月4日の新発10年物国債利回りは2.900%と前日から0.065ポイント低下した。国内では日銀の政策正常化観測が残るものの、急速な利回り上昇後の買い戻しが優勢となった。米国では強い雇用統計を受け、10年債利回りが4.78%前後へ上昇した。日米とも政策金利の上振れリスクが意識されており、株式のバリュエーション、とりわけ高PERの成長株には金利変動への感応度が高い状態が続く。

大宗商品・先物市場

9月4日のWTI原油先物10月限は1バレル=91.48ドルと0.18ドル上昇し、Brent原油も95ドル台後半の高水準を維持した。原油高はエネルギー企業の収益を支える一方、運輸、化学、電力・ガスなどのコストと世界的なインフレ圧力を押し上げる。金先物12月限は1トロイオンス=4,476.6ドルと63.3ドル下落し、米金利とドルの上昇が重荷となった。銅先物は1ポンド=6.6ドル台で高値圏にあり、非鉄金属株への追い風と製造業の原材料負担という両面を持つ。ビットコインは8万ドル近辺まで下落し、金利上昇局面でリスク資産全般の選別が進んだ。

恐怖指数(VIX)と市場センチメント

VIX指数は9月4日に14.53と前日比1.47%上昇した。水準自体は市場の極端な恐怖を示すものではないが、強い雇用統計、原油高、金融政策の再評価が同時進行しており、低ボラティリティを前提にした過度な楽観には慎重さが必要である。米国休場で取引量が減る9月7日の東京市場では、指数先物や為替の小さな注文でも価格が振れやすくなる可能性がある。

重点業界動向

半導体・AI関連は米国市場で相対的な強さが続き、日本でも値がさ株への買い戻しが日経平均を押し上げた。ただし金利上昇は成長株の評価を抑えやすく、業績見通しと受注の裏付けが重要となる。金融株は中長期的には日銀の正常化が利ざや改善要因となる一方、9月4日は長期金利低下を受けて軟調だった。非鉄金属は銅価格の高止まりが追い風となる。自動車など輸出株は155~156円台の円相場が業績前提と比べてどの程度円高かを確認したい。小売・食品・空運は円高による輸入コスト緩和の恩恵が期待される一方、家計消費の弱さが需要面の課題となる。

研究見解

前営業日の日本株は日経平均が大きく上昇したものの、TOPIXの上昇はわずかであり、指数寄与度の高い銘柄への集中が鮮明だった。週明けはCME日経平均先物が現物終値を上回っていることが支えになる一方、米雇用統計後の米金利上昇と円相場の不安定さが上値を抑える可能性がある。短期的には半導体・AI株の継続性、ドル円の156円台での安定、国内10年債利回りの再上昇の有無が焦点となる。指数の上昇だけで地合いを判断せず、TOPIX、騰落銘柄、売買代金を併せて確認し、業績と金利感応度に基づく選別を重視したい。

本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。

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