日本市場日報|2026年9月2日

国際要聞

9月1日の海外市場では、米国によるイラン空爆の再開で中東情勢が再び緊迫し、原油高とインフレ懸念が同時に強まった。米国株は金利上昇とエネルギー価格上昇を嫌気し、ダウ工業株30種平均が52,766.88、S&P500が7,631.47、ナスダック総合が26,099.77でそろって反落した。リスク回避が全面化したというより、金利上昇に弱い大型グロースから資源・景気敏感株へ資金が移る構図が鮮明になっている。

日本経済要聞

国内では4-6月期の設備投資が前年同期比1.6%増となり、企業の投資姿勢はなお前向きである。企業売上高は前年同期比5.9%増、経常利益は24.6%増と利益面も強く、設備投資と収益の両面で内需の腰折れ懸念は限定的だ。加えて、8月の製造業PMIは54.9と8カ月連続で拡大圏を維持し、半導体・AI関連需要の強さが国内生産の下支え役になっている。

日本株式市場(前営業日終値)

前営業日である9月1日の東京株式市場では、日経平均株価が66,215.34円で引け、8月31日の66,311.93円から96.59円安、騰落率は-0.15%だった。一方、TOPIXは4,181.86で、8月31日の4,156.29から25.57ポイント高、騰落率は+0.62%となった。半導体やAI関連には利益確定売りが出た一方、自動車、銀行、資源関連に買いが向かい、指数全体では値がさ株の弱さと広範な銘柄の底堅さが併存した。

外国為替(FX)市場

9月2日10時13分時点のドル円は160.19円近辺で推移し、米金利の高止まりを背景にドル高・円安圧力が続いている。もっとも、160円台では当局けん制や変動率上昇への警戒も強く、上値を一気に追う展開にはなりにくい。原油高が日本の交易条件を悪化させやすい点も、短期的には円の重しとして意識される。

債券市場

日本の10年国債利回りは3.00%近辺まで上昇し、約30年ぶりの高水準圏に入った。米10年国債利回りも4.79%前後と2025年初以来の高水準で推移しており、原油高を通じたインフレ再燃懸念が日米の長期金利を押し上げている。銀行には追い風だが、高PERの成長株や不動産株には引き続き逆風である。

大宗商品・先物市場

原油は供給不安を背景に急伸し、9月1日のNY市場でWTIは1バレル90.22ドル、Brentは94.65ドルで引けた。9月2日10時13分時点でもWTIは90.77ドル、Brentは95.22ドルと高値圏を維持しており、エネルギー株や商社には支援材料だが、輸送、化学、消費関連にはコスト圧力となる。金は4,376.90ドル、銅は6.55ドル近辺で、高金利の逆風を受けやすい一方、地政学リスクと景気期待の綱引きで方向感が割れやすい。

恐怖指数(VIX)と市場センチメント

米VIX指数は9月1日に16.34まで上昇し、警戒感は高まったが、まだ極端なパニック水準ではない。ビットコインも9月2日10時13分時点で77,445ドル近辺へ軟化しており、投機資産にはやや逆風が吹いている。現状のセンチメントは全面的なリスクオフというより、金利上昇と原油高に耐性のある資産へ資金を移す選別色の強い局面と捉えられる。

重点業界動向

半導体とAI関連は需要自体が強い一方、金利上昇局面ではバリュエーション調整を受けやすく、短期的な値動きが荒くなりやすい。逆に、銀行、保険、商社、エネルギー、海運は金利高や資源高の恩恵を受けやすい。自動車も円安の支援を受けやすいが、原材料高と海外需要の鈍化には注意が必要で、同じ輸出株でも選別が進みやすい。

研究見解

足元の日本市場は、日経平均の上値が重くてもTOPIXが強いという構図に示される通り、相場の主役が値がさ半導体から金利・資源・内需感応度の高い領域へ広がりつつある。設備投資と製造業PMIの強さは国内景気の下支え材料だが、原油高と長期金利上昇は企業収益とバリュエーションの両面に圧力をかける。短期的には160円近辺の為替、日米長期金利、ホルムズ海峡を巡る地政学リスクが、日本株の物色バランスを左右する中心変数になりやすい。

本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。

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