対象データ日: 2026年8月13日。公開日である2026年8月14日とは別日であり、前営業日の確定値を用いています。
国際要聞
13日の米国市場はインフレ鈍化を好感し、主要3指数がそろって上昇した。S&P500種株価指数は7,798.99で史上最高値を更新し、ナスダック総合指数は26,803.03、ダウ工業株30種平均は53,839.99で引けた。7月の米卸売物価指数が前月比横ばいとなり、前日の消費者物価に続いて利上げ再開観測がやや後退したことが背景で、AIインフラと半導体関連への資金流入が継続した。
一方で中東情勢を巡る地政学リスクは残るものの、需要見通しの下方修正や在庫要因が意識され、原油は一服した。WTIは1バレル81.25ドル、Brentは87.07ドルまで下落し、エネルギー高によるインフレ再燃懸念をいったん和らげた。
日本経済要聞
日本では日銀の氷見野良三副総裁が、経済・物価見通しが基本線に沿えば利上げ継続が適切との考えを維持する一方、米関税や海外景気を巡る不確実性はなお高いと強調した。市場は日銀の引き締め方向そのものは織り込みつつも、実施時期にはなお慎重な見方を残している。
家計面では7月の実質賃金が前年比0.5%増と7カ月ぶりにプラスへ転じ、名目賃金も4.1%増と伸びた。ただし家計消費は同1.4%増にとどまり、市場予想を下回った。ボーナスによる押し上げは確認できる一方、食品を中心とする物価高が日常消費の重荷として残っており、内需回復の足取りはなお力強さを欠く。
日本株式市場(前営業日終値)
8月13日の日本株は続伸した。日経平均株価の終値は68,308.59円で、前営業日8月12日の67,524.06円に対して784.53円高、騰落率は1.16%だった。TOPIXは4,176.04で、前営業日の4,139.00に対して37.04ポイント高、騰落率は0.89%となった。
物色の中心は半導体・AI関連で、前日の米半導体株高と企業業績見通しの改善が日本株にも波及した。金融株もしっかりで、米金利低下にもかかわらず日銀の追加正常化観測が残るなか、銀行株には押し目買いが入った。半面、個人消費の鈍さを映しやすい内需小売には選別色が残り、相場の主導役は外需成長株と金融に偏っている。
外国為替(FX)市場
14日朝のドル円は1ドル=159.48円近辺で推移し、円安基調を維持した。日銀の追加利上げ思惑が円の急落を抑える一方、日米金利差と日本の資源輸入負担を意識した円売り圧力はなお強い。160円近辺は当局けん制が強まりやすい水準であり、輸出株には追い風でも、政策発言次第で短期的な為替変動は大きくなりやすい局面が続く。
債券市場
米国債はインフレ鈍化を受けて買いが入り、米10年債利回りは4.64%前後へ低下した。これを受けて14日朝の新発10年国債利回りは2.845%と前日比で約2.5ベーシスポイント低下し、国内債も米国債高を追随した。ただし日本の長期ゾーンは財政拡張懸念と日銀正常化観測を抱えており、利回り低下がそのまま長続きする地合いではない。
大宗商品・先物市場
原油は中東リスクを織り込みつつも、需要見通しの軟化を受けて反落した。WTIは81.25ドル、Brentは87.07ドルで、足元のエネルギー価格は高止まり圏ながら過熱感がいったん後退している。金先物は4,363.60ドルへ下落し、インフレヘッジ需要の一服を映した。銅は1ポンド6.3ドル台を維持しており、景気敏感資産としてはAI向け電力・設備投資期待が下支えしている。ビットコインは6.34万ドル前後で底堅く、過度なリスク回避には傾いていない。
恐怖指数(VIX)と市場センチメント
米株の恐怖指数であるVIXは8月12日に14.82まで低下し、1月以来の低水準を付けた。その後も低位圏を維持しており、グローバル投資家のセンチメントは総じてリスクオン寄りである。もっとも、原油供給不安、米金融政策、AI関連の高バリュエーションといった火種は消えておらず、安心感の強さ自体が逆に変動率の戻りを招く余地もある。
重点業界動向
最注目は半導体・AI関連である。米国ではAIインフラ企業の決算と設備投資継続が市場心理を改善させ、日本でも半導体製造装置、検査装置、先端パッケージ関連へ資金が向かった。次に銀行・保険など金利感応度の高い金融株は、米金利が低下しても日銀の正常化シナリオが生きているため、バリュー株の受け皿として機能しやすい。反対に小売や生活消費関連は、実質賃金の改善がまだ恒常的とは言い切れず、食品インフレの影響もあって業績見通しのばらつきが大きい。輸出株は159円台のドル円が支援材料だが、米関税と世界需要減速への警戒を引き続き要する。
研究見解
短期の日本市場は、米インフレ鈍化を起点とするグローバルなリスクオン、円安、AI関連の業績期待という3つの追い風で上値を試しやすい。一方で、上昇を支える材料が半導体と一部金融に集中している点は無視できない。実質賃金の改善が内需全体へ波及するか、原油高が再燃しないか、そして日銀が追加正常化の地ならしをどこまで進めるかが次の焦点である。現時点では指数全体に強気を維持しつつも、業種間の温度差が一段と広がりやすい相場とみる。
本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。
