日本市場日報|2026年7月21日

国際要聞
米国市場は7月20日に小幅安で引け、ダウ工業株30種平均は51,839.26、S&P500種は7,443.28、ナスダック総合は25,508.07となった。半導体株の調整が続く一方、米企業決算の本格化を控えて持ち高圧縮も出やすく、株式市場全体では上値の重い展開が続いている。

中東では米国とイランを巡る緊張が再び強まり、原油供給の要衝を巡る警戒が続いている。Brent原油は90ドル台、WTIは84ドル台まで上昇し、インフレ再加速と長期金利上昇への懸念がリスク資産の重荷になっている。

日本経済要聞
日本では政府の経済財政運営を巡る文言修正を受け、金融政策の具体的手段は日本銀行に委ねる姿勢が改めて示された。もっとも、足元では財政拡張観測、円安、エネルギー高が重なっており、市場は政策メッセージそのものよりも、インフレ再加速と国債需給の悪化を引き続き警戒している。

6月の国内企業物価指数は前年同月比7.1%上昇となり、エネルギー高と円安による輸入コスト上昇が企業物価を押し上げた。今月末の日銀会合を前に、物価の粘着性と賃金・需要の持続性をどう評価するかが国内金利と為替の次の焦点になる。

日本株式市場(前営業日終値)
7月21日の公開に対する本文対象日は、直近の東京証券取引所営業日である2026年7月17日である。日経225の2026年7月17日終値は64,141.12で、前営業日の66,835.54から2,694.42円安、騰落率は-4.03%だった。TOPIXの2026年7月17日終値は3,919.21で、前営業日の4,028.79から109.58ポイント安、騰落率は-2.72%だった。

7月17日の東京市場では、世界的な半導体株安と中東情勢の緊迫化が同時に重なり、リスク回避売りが全面化した。AI関連の主力銘柄や半導体装置株、成長株に売りが集中し、相場全体は6月高値からの調整局面入りを意識させる値動きとなった。

外国為替(FX)市場
ドル円は7月21日朝時点で1ドル=162円台半ばで推移している。原油高を背景に米金利が高止まりしやすい一方、日本では輸入インフレと介入警戒が共存しており、ドル高・円安基調の継続と当局けん制の綱引きが続いている。

円安は輸出企業の採算面では下支えだが、エネルギーや素材の輸入負担を通じて内需関連には逆風となる。特に電力、運輸、食品などコスト転嫁力が問われる業種では、為替の水準そのものより変動の速さが警戒材料になりやすい。

債券市場
米10年国債利回りは4.597%付近、米2年国債利回りは4.214%付近まで上昇した。市場は原油高によるインフレ押し上げと、米連邦準備制度理事会が再び引き締め方向に傾く可能性を織り込み始めている。

日本の10年国債利回りも7月21日朝に2.7%台前半まで上昇しており、7月上旬に付けた約30年ぶり高水準圏からの高止まりが続く。国内債券市場では、財政運営への不信感と日銀の正常化観測が長期ゾーンを不安定にしやすい。

大宗商品・先物市場
エネルギー市場ではBrent原油が90.79ドル前後、WTIが84.68ドル前後まで上昇し、地政学リスクがそのまま供給不安プレミアムとして価格に乗っている。原油高は世界景気に対して税負担のように作用し、日本にとっては交易条件の悪化要因でもある。

金は4,000ドル近辺で上値の重い推移となっている。安全資産需要はあるものの、同時に米実質金利の高止まりも意識されており、金利上昇と地政学リスクの綱引きになっている。銅はロンドン市場で1トン=13,500ドル台と高止まりしているが、短期的にはAI関連需要への期待と世界景気減速懸念が交錯している。

恐怖指数(VIX)と市場センチメント
VIXは7月20日時点で18.65と、極端なパニック水準ではないものの、7月前半に比べて市場の警戒感は明確に高まっている。半導体株のボラティリティ上昇、中東情勢、原油高、金利上昇が同時進行しており、投資家のリスク許容度は低下方向にある。

目先はAI相場の巻き戻しが一巡するか、あるいは業績確認前のさらなる圧縮が進むかの分岐点にある。指数全体よりも、ハイベータ成長株と景気敏感バリュー株の間で資金移動が激しくなる地合いとみられる。

重点業界動向
半導体・AI関連は、世界的なバリュエーション調整の影響を最も強く受けている。日本市場でも7月17日にキオクシアやソフトバンクグループなど値動きの大きい成長株が急落し、東京エレクトロンやアドバンテストを含む装置・検査関連にも売り圧力が波及した。

一方で、原油高と金利上昇はエネルギー、商社、金融の一部には相対的な支えとなりうる。もっとも、日本では円安による輸入コスト高が内需を圧迫するため、単純な景気敏感株シフトだけではなく、価格転嫁力と財務余力を備えた企業の選別色が強まりやすい。

研究見解
短期の日本市場は、1つの材料ではなく、半導体株のポジション巻き戻し、原油高によるインフレ懸念、円安、国内長期金利の高止まりが同時に効いている。したがって、押し目買いが入っても上値回復は直線的になりにくく、当面は値幅の大きい神経質な地合いを想定したい。

相場反転の条件は、米主要ハイテク企業の決算でAI投資の収益化に対する市場の不安が和らぐこと、そして原油と長期金利の上昇が一服することだ。逆に、ドル円の一段の円安進行やJGB利回りの再上昇が起きる場合、日本株は外需主導の一部大型株を除いて戻り売りに押されやすい。

本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。

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