国際要聞
7月1日の米国株は、雇用統計前のポジション調整と長期金利の上昇を受けて反落した。NYダウは52,305.24(前日比-13.96、-0.03%)、S&P500は7,483.23(-16.13、-0.22%)、ナスダック総合は26,040.03(-173.68、-0.66%)。ADP雇用は9.8万人と市場予想の11.5万人を下回った一方、米10年債利回りは4.48%近辺まで上昇しており、景気減速とインフレ再加速の両にらみが続いている。中東では米国とイランの交渉継続観測が残る一方、ホルムズ海峡を巡る緊張が完全には解けておらず、原油は下値を固めやすい。
日本経済要聞
日本では6月のマネタリーベースが前年比-13.7%となり、日銀の資金供給環境の正常化が改めて意識された。6月20日〜26日の対内証券投資・株式ネットは-1兆8165億円、対外証券投資・中長期ネットは-2801億円で、海外勢の日本株売り越しと国内投資家の慎重姿勢が確認された。きょうの10年国債入札を控え、10年JGB利回りは2.715%まで上昇しており、金利の高止まりが内需と高PER銘柄の重しになりやすい。
日本株式市場(前営業日終値)
前営業日の2026年7月1日の東京株式市場は反発した。日経225終値は70,474.96円で前営業日比+412.64円(+0.59%)、TOPIX終値は4,011.50で前営業日比+16.74(+0.42%)だった。指数は戻したが、きょう7月2日朝方には米ハイテク安と金利上昇を受けて売りが先行しており、前営業日の上昇がそのままトレンド化したとは言いにくい。短期的には半導体、AI関連、金融、資源の綱引きが続きやすい。
外国為替(FX)市場
ドル円は足元で162.56円前後と162円台半ばを維持している。米10年債利回りの高止まりと日米金利差が円売り圧力を残しており、輸出株には追い風だが、輸入コストや国内インフレには逆風となる。円安がさらに進む場合は、自動車、機械、商社には支援材料となる一方、電力、食料、外需依存度の低い内需セクターではコスト転嫁力の差が改めて問われる。
債券市場
米10年債利回りは4.48%近辺、日本10年国債利回りは2.715%と、両市場とも金利水準が高い。米国では雇用統計前でも利回りが切り下がらず、利下げではなく追加引き締めリスクまで意識されている点が重い。日本では超長期だけでなく10年ゾーンの入札消化も焦点で、利回りのじり高は銀行・保険にはプラスだが、不動産や高バリュエーション成長株には逆風になりやすい。
大宗商品・先物市場
原油はWTIが69.58ドル前後、Brentが73.10ドル前後で推移し、中東情勢の鎮静化期待と供給懸念が綱引きになっている。金先物は7月1日に4,068.30ドルで引け、地政学リスクだけでなく実質金利の上昇とAI主導のリスク選好の影響を受けやすい局面が続く。ビットコインは5.9万ドルを下回る圏まで水準を切り下げており、投機資金の一部がAI関連株へ移っている構図も意識したい。銅は足元の変動はあるものの、データセンター、電力網、軍需を背景とした構造需要が依然として強い。
恐怖指数(VIX)と市場センチメント
米株の調整にもかかわらず、VIXは長期平均の20を下回る落ち着いたゾーンにとどまっている。これは市場が全面的なリスクオフというより、金利と業績を見極めながらセクター回転を続けていることを示す。裏を返せば、雇用統計、米金利、ホルムズ海峡情勢のいずれかが悪化した場合、安心感が急速に剥がれやすい。
重点業界動向
半導体・AIでは、米大手が余剰計算資源の外販を検討する流れが強まり、計算資源そのもののマネタイズが新たな競争軸になっている。日本ではアドバンテスト、東京エレクトロン、ディスコ、フジクラなどの高感応度銘柄に資金が向かいやすい一方、米金利上昇局面では利益確定売りも速い。金融は国内金利上昇を追い風にしやすく、メガバンク、保険、証券には相対優位がある。資源・商社は原油と銅の高止まりが続く限り収益期待を維持しやすいが、中東リスクの緩和が続けば短期の勢いは鈍る可能性がある。
研究見解
当面の主戦場は、円安メリットと金利上昇耐性を持つ銘柄群を軸にしつつ、AI・半導体の押し目がどこで吸収されるかを見極める局面である。米雇用統計とその後の米金利反応次第では、7月1日に戻した日本株も再び値幅調整に入りうる。短期では銀行、保険、商社、選別された輸出株が相対的に組み立てやすく、長期ではAIインフラ、電力網、銅需要の恩恵を受ける企業群の押し目管理が重要になる。
本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。
