国際要聞
6月29日の米国株は反発した。NYダウは52,182.74(前日比+306.63、+0.59%)、S&P500は7,440.43(+86.41、+1.18%)、ナスダック総合は25,820.14(+522.53、+2.07%)で、AI関連の押し目買いが戻り相場を支えた。米国とイランがホルムズ海峡周辺での攻撃停止と協議再開で一致したことで、最悪シナリオへの警戒はやや後退したが、物流とエネルギー供給の不安はなお市場の上値を抑えやすい。韓国ではサムスン電子とSKハイニックスがAI向け半導体クラスターへ約5180億ドル規模の投資方針を示しており、アジアの半導体設備・材料株には引き続き追い風となる。
日本経済要聞
国内では政府の新たな成長戦略案で、実質成長率1%超の目標と日銀との政策連携強化が打ち出された。財政拡張と金融正常化の距離感が、日本株と円相場の双方に影響する構図が鮮明だ。6月30日公表分では、5月の有効求人倍率が1.17倍へ低下し、完全失業率は2.5%、鉱工業生産は前月比0.5%上昇、前年比1.7%低下だった。雇用と生産は一方向には崩れていないが、円安による輸入コスト上昇と外需の不確実性が企業収益の選別を強めやすい。
日本株式市場(前営業日終値)
以下の株式データは2026年6月29日終値ベース。日経225は69,468.11円(前営業日比+107.23円、+0.15%)、TOPIXは3,982.00(+18.64、+0.47%)だった。米株反発と円安進行が大型株全体の支えになった一方、指数自体は高値警戒感も残り、半導体・輸出・金融に資金が向かいやすい一日だった。TOPIXが日経平均を上回る伸びを確保した点は、相場の裾野が極端には細っていないことを示す。
外国為替(FX)市場
6月30日午前のドル円は1ドル=162.22円前後で推移し、円は1986年以来の安値圏にある。ドル指数そのものは小幅に弱含んでも、日米金利差と政策スタンスの差が円の重しになっている。輸出株には追い風だが、輸入インフレの再加速、内需株のコスト圧迫、当局のけん制強化には注意が必要だ。
債券市場
米10年国債利回りは4.3764%前後で、高止まりを維持している。日本の10年国債利回りは30日朝時点で2.63%近辺まで上昇しており、国内でも金利上昇圧力が続く。日本株では銀行・保険に追い風となる一方、不動産や高PERグロース株には割引率上昇が逆風になりやすい。
大宗商品・先物市場
WTIは70.75ドル、Brentは73.15ドルと、ホルムズ海峡の緊張再燃を受けてなお高止まりした。金は4,022.30ドルまで下げ、地政学リスクの一服と高金利観測の組み合わせが上値を抑えている。ビットコインは59,863ドル前後で6万ドル攻防が続き、投機マネーの回帰は限定的だ。銅はAI、送配電、EV関連の構造需要を背景に高値圏意識が続いており、資源株と電線株の物色テーマとして残る。
恐怖指数(VIX)と市場センチメント
VIXは18.37まで低下し、20を下回る水準では短期的なパニックはやや和らいでいる。ただし、これは全面的な楽観を意味しない。エネルギー価格、米金利、日本の円安進行という3つの変数が再び同時に振れれば、センチメントはすぐに逆回転しうる。目先は押し目買い優勢でも、ボラティリティ低下を過信しにくい局面だ。
重点業界動向
半導体・AI関連は、米ハイテク反発と韓国の大型投資計画を背景に、製造装置、検査、素材、電線まで広めに物色しやすい。金融は国内長期金利の上昇で利ざや改善期待が続く一方、債券含み損管理が引き続き焦点となる。商社、エネルギー、海運は原油と物流の地政学リスクの受け皿になりやすいが、和平進展のニュースフロー次第で値動きは荒くなりやすい。逆に、輸入依存度の高い小売、外食、生活必需品では円安コストの転嫁力が株価の分かれ目になる。
研究見解
日本市場は、短期的には米株反発と円安を支えにリスクオンを維持しやすいが、上昇の質は全面高より選別色が強い。指数追随よりも、円安メリットを享受しやすい輸出・半導体・金融と、コスト転嫁力の弱い内需株を切り分ける視点が重要だ。今週は米雇用関連指標と中東情勢のヘッドラインで金利と原油が再び動きやすく、日本株も日中の値幅が想定以上に広がる可能性がある。
本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。
