国際要聞
6月24日の米国市場は高安まちまち。NYダウは51,848.90で前日比+182.06、S&P500は7,358.22で-7.24、ナスダック総合は25,476.64で-110.40だった。原油安がインフレ懸念を和らげる一方、AI関連の持ち高調整が半導体・大型テックの上値を抑えた。引け後にはマイクロンが四半期売上高414.6億ドルを示し、時間外で約13%上昇しており、東京市場の半導体株には押し目買いの材料になりやすい。
エネルギー市場では中東の供給不安後退が続き、WTIは70ドル前後、Brentは73ドル台まで低下した。ホルムズ海峡の通航正常化期待とイラン産原油供給回復観測が、インフレ再加速シナリオをやや後退させている。
米金融ではFRBの年次ストレステストで大手32行が全て基準を満たし、銀行システム不安はひとまず抑制された。もっとも、今晩の米PCE公表を前に米10年債利回りは4.41%前後と高止まりしており、利下げ期待ではなく高金利長期化への警戒が市場の主軸に残る。
日本経済要聞
日銀の6月会合要旨では、複数委員が中立金利に近づけるため利上げをやや前倒しで進める必要性に言及した。原油安は日本の交易条件に追い風だが、ドル高・円安が輸入物価を押し上げる構図は続いている。
為替はドル円が161.71円前後と円安圧力が強い。政府は介入警戒を維持しているが、日米金利差が大きい間は口先介入だけでは円高反転が定着しにくい。
6月13日〜19日の対外・対内証券投資では、日本勢の対外株式投資が4268億円の買い越し、海外勢の対内株式投資も4794億円の買い越しとなった。日本株への資金流入が細っていない点は支えだが、同時に円売りを伴いやすい資本フローでもある。
日本株式市場(前営業日終値)
前営業日6月24日の日経平均株価は69,174.97円で、前営業日比613.41円安、騰落率は-0.88%だった。前日23日の69,788.38円から反落し、米ハイテク調整と利益確定売りが重しになった。
TOPIXは3,963.76で、前営業日比26.62ポイント安、騰落率は-0.67%だった。指数全体の下落率は日経平均より小さく、値がさ半導体株の振れが相場の重心を左右した構図がうかがえる。
もっとも、25日朝の東京市場では米マイクロン好決算を受けて半導体・電子部品に買い戻しが入り、日経平均は10時20分時点で71,257.37円、TOPIXは10時21分時点で4,015.06まで切り返している。前日までの急な地合い悪化がそのまま継続する局面ではなく、指数主導の上下動が続く中で個別の業績差が改めて問われやすい。
外国為替(FX)市場
ドル円は161.71円前後で推移している。前日の米国市場では原油安でインフレ懸念がやや後退した一方、米金利が4%台前半にとどまり、円買いに傾くほどの材料にはならなかった。
円安は自動車、機械、電機の外需企業には円換算益の追い風だが、内需では小売、食品、電力・ガス、素材の一部でコスト転嫁力の差が出やすい。161円台後半は当局けん制が入りやすい水準でもあり、急伸局面では政策発言のヘッドラインに注意したい。
債券市場
米10年国債利回りは4.4138%前後で推移し、原油安による安心感はあるものの、高金利の絶対水準は依然高い。PCEや雇用関連指標次第では、米長期金利が再び株式のバリュエーションを圧迫しやすい。
日本の10年国債利回りは2.65%前後まで低下しており、足元では原油下落が日本のインフレ再加速懸念を和らげている。ただし、日銀の追加利上げ観測が消えたわけではなく、長期ゾーンの低下余地は限定的とみるべきだ。
大宗商品・先物市場
WTIは70ドル前後、Brentは73ドル台と、イラン情勢緩和とホルムズ海峡の通航正常化期待を映して水準を切り下げている。日本にとっては燃料輸入コストの軽減要因で、空運、陸運、化学、電力などの採算見通しにはプラスに働きやすい。
金はNY先物の直近終値で1トロイオンス3,990.30ドルまで下げ、高金利とドル高の逆風が安全資産需要を上回った。銅は1トン1万3600ドル台の高値圏が意識され、非鉄、電線、資源開発株のテーマ性はなお強い。
ビットコインは6月24日時点で6万ドルを割り込み、直近確認では5万9878ドル近辺まで下押した。リスク資産全般の変動率上昇時には、暗号資産も同時に売られやすい相場環境が続く。
恐怖指数(VIX)と市場センチメント
VIXは24日の米市場で19.2前後まで低下し、20を明確に上回る全面リスクオフは一服した。ただし、ナスダック側の変動率上昇はなお警戒されており、指数全体よりAI・半導体周辺にストレスが集まる展開が続いている。
このため、投資家心理は全面悲観ではなくセクター内選別に近い。日本株でも指数は急反発し得る一方、材料の弱い高PER銘柄には戻り売りが出やすい。
重点業界動向
半導体・電子部品は、米マイクロンの好決算と増産対応が追い風で、メモリ周辺から製造装置、検査、素材まで連鎖的に見直しやすい。東京市場ではアドバンテスト、東京エレクトロン、レーザーテック、キオクシア関連への感応度が高い。
銀行・保険は、米大手行の健全性確認と日銀の追加正常化観測が支援材料になる。国内長期金利が急低下しない限り、利ざや改善期待は残る。
輸送・エネルギー多消費産業は、原油安が続けば採算回復期待が高まりやすい。一方で、円安が長引けば燃料安の恩恵が相殺されるため、為替ヘッジ力と価格転嫁力の差が勝敗を分ける。
研究見解
足元の日本市場は、原油安によるインフレ圧力の緩和とドル高・円安および高金利長期化という相反材料の綱引きにある。原油安は日本経済に素直な追い風だが、それだけで円安や米金利の重さを打ち消すほどではない。
したがって、短期的には指数全体の方向感よりも、半導体の受注モメンタム、金融の金利感応度、内需の価格転嫁力という三つの軸で銘柄間格差が広がりやすい。前営業日の下落後に戻りを試す場面でも、利益成長を伴わないリバウンドは持続性を欠きやすく、材料の質を見極める局面と考える。
本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。
