日本市場日報|2026年6月18日

国際要聞

6月17日のFOMCでは政策金利が3.50〜3.75%に据え置かれた一方、年内の追加利上げを意識させる見通しが示され、米主要株価指数は反落した。NYダウは51,492.55、S&P500は7,420.10、ナスダック総合は26,021.66で引け、長期金利上昇が高PER株の重しになった。

中東では米国とイランの停戦枠組みを巡る進展が原油供給不安をやや後退させたが、合意履行の速度とホルムズ海峡の正常化には不確実性が残る。エネルギー相場は急落後の戻り局面にあり、株式市場ではインフレ再燃と景気鈍化の両にらみが続く。

欧州では政策金利イベントを控え、為替と債券の変動が再び大きくなりやすい。米金利上昇と原油の戻りが同時進行する場合、新興国と輸入インフレ耐性の弱い地域には再度逆風となる。

日本経済要聞

日銀は6月16日に政策金利を1.0%へ引き上げ、1995年以来の高水準に戻した。超緩和の完全な転換が意識される一方、ドル円は160円台後半にとどまり、利上げだけでは円安是正が進みにくい構図が続く。

財務省の5月貿易統計では、輸出は前年同月比17.0%増の9.51兆円、輸入は12.5%増の9.89兆円となり、3786億円の貿易赤字だった。AI関連の電気機械需要と円安が輸出金額を押し上げた半面、輸入物価高が国内コストを圧迫している。

対内外証券投資では、6月6日〜12日に海外投資家が日本株を7851億円売り越した。日銀利上げ後の金利上昇を好感する物色はあるものの、海外勢のポジション調整はなお続いている。

日本株式市場(前営業日終値)

6月17日の日経225は69,902.25円で引け、前営業日比497.75円高、0.72%上昇した。TOPIXは4,013.23で、前営業日比22.09ポイント高、0.55%上昇した。

日銀の利上げを受けて銀行や保険など金利感応度の高い大型株が支えとなり、円安継続は自動車・機械など輸出関連の採算期待を下支えした。一方で、米長期金利の上昇は半導体や高バリュエーション株の上値を抑えやすく、指数上昇の割に物色は選別色が強い。

70,000円近辺では利益確定売りも出やすいが、TOPIXが4,000台を維持できるかは国内金利の落ち着きと海外勢の売り一巡が条件になる。

外国為替(FX)市場

ドル円は18日朝時点で160.67円前後と、日銀利上げ後も円安水準が続く。米10年債利回りが4.471%近辺と高く、日米金利差の縮小が限定的なためだ。

短期的には160円台後半が輸出企業の採算には追い風だが、輸入企業と内需関連には逆風で、政府・日銀のけん制や介入観測も強まりやすい。円安の継続は日本株全体にはプラスとマイナスが同居し、業種間格差を広げやすい。

債券市場

米10年国債利回りは4.471%、日本10年国債利回りは18日朝に2.625%近辺まで上昇した。米国はタカ派的なFOMC、日本は日銀の正常化継続が金利上昇圧力になっている。

国内では銀行の利ざや改善期待が高まりやすい一方、REITや高配当ディフェンシブの相対評価には逆風だ。金利上昇が実体経済の資金需要をどこまで冷やすかが次の焦点になる。

大宗商品・先物市場

WTIは76.79ドル、Brentは79.55ドルまで持ち直した。停戦観測で急低下した後も、供給再開の速度と地政学リスクの再燃懸念が残り、原油は一方向に崩れにくい。

金は4,358.90ドルと高値圏を維持した。米金利上昇は逆風だが、地政学リスクとインフレ警戒が安全資産需要を支えている。銅もAI・電力投資・供給制約を背景に高値圏維持の見方が続き、日本の非鉄・資源関連株には追い風と逆風が交錯する。

恐怖指数(VIX)と市場センチメント

VIXは直近で16台後半まで低下し、地政学的な最悪シナリオは一旦後退した。ただし、FOMC後は金利見通しの再修正が入りやすく、低VIXがそのまま安定相場を意味する局面ではない。

株式市場では、原油低下を好感するリスク選好と、金利高を嫌うバリュエーション調整が同時に走っている。指数よりも業種選別と金利感応度の見極めが重要だ。

重点業界動向

金融は日銀利上げの恩恵を受けやすく、メガバンク・保険には追い風が続く公算が大きい。ただしJGB評価損や調達コスト上昇の織り込みは今後の株価材料になる。

半導体・製造装置はAI関連投資と円安の支えがある一方、米長期金利上昇でPER拡張は鈍りやすい。業績の確度が高い主力とテーマ先行銘柄の差がさらに広がりそうだ。

エネルギー、海運、空運はホルムズ海峡正常化の進展次第で業績見通しが振れやすい。燃料価格低下は空運・陸運に追い風だが、原油反発が定着するならコスト改善の期待は後退する。

研究見解

日本株は、日銀正常化で金融が見直される相場と、円安で輸出・半導体が支えられる相場が同時進行している。一方で、米金利上昇がグロース株の上値を抑えるため、指数全体は強く見えても中身はバーベル型の物色になりやすい。

現時点では、金融・商社・一部資源関連のキャッシュフロー重視銘柄と、受注の見通しが明確な半導体製造装置・AIインフラ関連の二極化が続きやすい。逆に、コスト転嫁力の弱い内需株や、金利上昇に弱い高PER銘柄は相対的に選別が厳しくなりやすい。

本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。

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