国際要聞
国際金融市場では、米国株が底堅い推移を維持する一方、通商政策(関税)を巡る不透明感と金利動向がリスク選好の揺り戻しを誘発している。NY市場では株式が相対的に堅調で、米長期金利は低下気味に推移した。為替では日銀総裁発言も材料となり、円は対ドルで下げ渋る場面が見られた。
日本経済要聞
日本国内では、金融政策を巡る観測(利上げ時期・政策委員人事)に市場の関心が集まり、為替・債券・株式の連動性が高い局面が続いている。長期金利は政策イベントと需給要因の綱引きとなり、株式市場では金利・為替の変動を織り込みつつリスク資産選好が優勢となった。
日本株式市場(前営業日終値)
前営業日(2月26日)の東京株式市場では、日経平均株価が58,753.39円で取引を終え、終値の最高値を更新した。半導体・AI関連を中心に買いが優勢となり、TOPIXも3,880.34ポイント(前日比+0.97%)と上昇し、幅広い銘柄群で上値追いが続いた。
外国為替(FX)市場
為替市場では、ドル/円相場が156円近辺で推移し、NY終盤では156.15円前後となった。日銀総裁が今後の会合判断に関して経済指標を重視する旨を示したことが、円買い戻しを促す材料となり、方向感は限定的ながらも円は下げ渋る展開となった。
債券市場
米国債市場では、米10年債利回りが4.016%近辺へ低下し、金融政策見通しと景気指標を巡る思惑を背景に利回りはやや低下基調となった。日本国債市場では、前営業日(2月26日)に長期金利(新発10年国債利回り)が2.165%程度へ上昇する局面があり、政策観測(委員人事・利上げ時期)と需給要因が金利形成に影響している。
大宗商品・先物市場
商品先物市場では、エネルギー・金属・農産物まで幅広くニュースドリブンの値動きが続いている。
エネルギーでは、WTI原油(前営業日2月26日終値)が65.22ドル、ブレント原油が70.84ドルとなり、地政学・外交観測(中東情勢など)と需給見通しの綱引きで短期変動が拡大している。
貴金属では、金(2月26日終値)5,201.24、銀(2月26日終値)88.065と高ボラティリティの推移が継続した。通商政策不透明感や金利低下局面では安全資産需要が入りやすい一方、短期のポジション調整で振れやすい。
工業金属では、銅(2月26日終値)6.0177と高値圏での上下動が続き、AI・電動化・送配電投資などの中長期テーマと短期需給の交錯が意識されている。
天然ガスは(2月26日終値)2.823と、天候見通しと在庫観測を材料に振れが大きい。
暗号資産では、ビットコイン(2月26日終値)67,482.1と、リスク資産全体のセンチメント変化に連動しやすい展開が続いた。
恐怖指数(VIX)と市場センチメント
米国市場の恐怖指数(VIX)は、NY時間のスポットで17.94まで低下する局面があり、短期的な警戒感は一旦後退した。ただし、政策・通商・金利の材料次第で再び上昇し得る環境であり、リスク管理上はレンジ上振れを警戒したい。
重点業界動向
半導体・AI関連は、米国株の動向と連動しつつ日本株の上昇ドライバーとして機能しやすい。一方で金利上昇局面ではバリュエーション調整が入りやすく、指数寄与度が高い分、日々のボラティリティ要因となる。エネルギー・資源は、原油・天然ガス・銅などの価格変動が企業収益見通しに直結しやすく、商品市況の変化を前提とした業績感応度の点検が重要である。
研究見解
日本株式市場は最高値更新によりモメンタムが強い一方、為替・金利・商品といった外部変数の変動が短期調整のトリガーとなり得る。特に、政策観測(利上げ時期・委員人事)と通商政策(関税)関連ヘッドラインは、センチメントの反転要因として警戒したい。
マルチアセット戦略では、株式・為替・債券・商品・暗号資産を横断した分散を基本とし、(1)ボラティリティ上昇局面の損失限定、(2)イベント前後のポジションサイズ調整、(3)流動性の確認を徹底することが重要となる。
本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。
